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薬物療法 やくぶつりょうほうpharmacotherapy

知恵蔵の解説

薬物療法

大脳を主とした中枢神経系に作用する向精神薬を使用し、精神疾患の症状を改善することを目的とする。抗精神病薬は統合失調症に対して用いられ、脳内のドーパミンを中心とした神経伝達物質が過剰に働いているのを抑制する。幻覚や妄想、精神運動興奮に対して効果がある。うつ病に用いられる抗うつ薬は、気分や気力に関係している脳内の神経伝達物質(セロトニンノルアドレナリン)の機能を活性化させる作用があり、憂うつ感の解消、不安軽減、意欲回復の効果がある。神経症や心身症によく用いられるのが抗不安薬で、ベンゾジアゼピン系の薬物が主流。脳の情動中枢の興奮を鎮める作用があり、不安や緊張などを和らげる。睡眠薬にもベンゾジアゼピン系薬物が使われる。依存が生じにくく副作用が弱いので、処方されることが多い。その他、抗躁作用のある炭酸リチウムカルバマゼピンなどの気分安定薬がある。

(田中信市 東京国際大学教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

デジタル大辞泉の解説

やくぶつ‐りょうほう〔‐レウハフ〕【薬物療法】

薬物を用いて治療する方法。外科的療法・物理療法免疫療法などに対するもので、内科的治療法の大部分を占める。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

大辞林 第三版の解説

やくぶつりょうほう【薬物療法】

投薬による治療法。物理療法に対していう。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

世界大百科事典内の薬物療法の言及

【医療】より

…病気はそれらの調和が破れることから起こるので,熱性の病気には寒性の食物や薬品を与えるというふうにそれぞれ反対の性質のもので調和を図り,健康を回復させるという理論である。医療法には食事療法,薬物療法とあるが,食事療法を優先し,薬物使用はできるだけ避くべきものとしていた。また空気のよい所に病人を置くこと,運動と休養,衣服の材料の選択,睡眠と目覚め,男女の交わりの調節,精神状態の安定なども治癒のためたいせつな条件としていた。…

【医療】より

…病気はそれらの調和が破れることから起こるので,熱性の病気には寒性の食物や薬品を与えるというふうにそれぞれ反対の性質のもので調和を図り,健康を回復させるという理論である。医療法には食事療法,薬物療法とあるが,食事療法を優先し,薬物使用はできるだけ避くべきものとしていた。また空気のよい所に病人を置くこと,運動と休養,衣服の材料の選択,睡眠と目覚め,男女の交わりの調節,精神状態の安定なども治癒のためたいせつな条件としていた。…

【LSD】より

…体重1kgにつき1μgという微量でこの作用を示すことから,体内でLSDに似た物質が代謝異常によってつくられ,それが脳に働くとヒトの精神病がおきるのではないかという〈精神病の化学的原因説〉に根拠が与えられた。さらに,他の化学物質でそれを弱めることもできるはずだということから,52年に精神病の薬物療法が登場するきっかけとなった。LSDが脳内神経刺激伝達物質であるセロトニンの作用を抑えることがわかってから,LSD‐25の発見は精神薬理学の発達をも促し,脳研究を飛躍させるもとにもなった。…

※「薬物療法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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