カンボジア音楽(読み)カンボジアおんがく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カンボジア音楽」の意味・わかりやすい解説

カンボジア音楽
カンボジアおんがく

(1) ジャヤバルマン2世によって建国されたアンコール王朝の王宮音楽は,スールヤバルマン2世によって建造されたアンコール・ワットや,ジャヤバルマン7世によって再建された9世紀のアンコール・トムなどの遺跡の壁画から推定される。その壁画に表わされている楽器の種類は二十余におよび,『マハーバーラタ』や『ラーマーヤナ』などが音楽劇として行われていたことを示している。しかしこれらのクメール文化は,13~14世紀に領土を広げたスコータイ王国に引継がれ,タイで築き上げられることになる。 (2) プノンペン王朝に伝承されていた伝統音楽はタイから逆輸入したもので,タイ音楽のそれとほとんど変りない。楽器編成もタイのマホリがモホーリと呼ばれる程度の違いしかなく,主要楽器もタケー (タイのチャケー) ,トゥロ (タイのソー) ,ロネアート (タイのラナート) ,コーン・トム (タイのコーン・ウォン) など,わずかに呼び名が変るだけで,ほとんど共通している。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android