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マハーバーラタ マハーバーラタ Mahābhārata

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

マハーバーラタ
マハーバーラタ
Mahābhārata

古代インド叙事詩サンスクリット語で書かれ,18編 10万頌の詩句から成り,量において世界最大。作者はビヤーサといわれるが,実際は,はるか昔の物語が口伝され,前数世紀頃ようやく整理されはじめ,修正増補されて後4世紀末頃現在の形になったものと推定される。

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百科事典マイペディアの解説

マハーバーラタ

古代インドのサンスクリット叙事詩。《ラーマーヤナ》と並ぶインドの国民的叙事詩。バラタ族の2王族が,聖地クルクシェートラで戦った18日間の大戦争の経緯を主題とした物語。
→関連項目アンコール・ワットシャクンタラーヒンドゥー教ホルストマハーバリプラムワヤン

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世界大百科事典 第2版の解説

マハーバーラタ【Mahābhārata】

古代インドの叙事詩。《ラーマーヤナ》とともにインドの国民的叙事詩となっている。18巻より成り,補遺《ハリバンシャHarivaṃśa》を含めると10万頌(頌とは16音節2行の詩)を数え,古今東西にわたりこれほど長大な叙事詩は他に例をみない。伝説によるとビヤーサという仙人が5人の弟子に伝え,その一人であるバイシャンパーヤナジャナメージャヤ王の催した蛇退治の祭祀のおりに初めてこれを唱えたといわれている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

マハーバーラタ
まはーばーらた
Mahbhrata

古代インドのサンスクリット大叙事詩で、「バラタ人の戦争を物語る大史詩」の意。18編10万頌(しょう)の詩句と付録『ハリ・バンシャ』(ハリの系譜)1編1万6000頌からなる。伝説によると、ビヤーサ仙が3年間で書いたというが、紀元前のはるか昔から語り伝えられている間に整理され、修正増補されて、4世紀ごろ現存の形をとったと考えられる。
 物語はバラタ人に属するクル一族とパーンドゥ一族の2王族の不和から18日間の大戦闘の結果、パーンドゥ側の勝利となる顛末(てんまつ)を主題としているが、本題は全編の約5分の1を占めるにすぎず、その間に神話、伝説、宗教、哲学、道徳、法制、社会制度などに関する無数の挿話を含み、これらのなかには後世まで世人の愛唱するものが多い。またこれらの物語を題材とした文学作品も非常に多く、なかでも有名なのはサービトリーの貞節が女性の模範として長く後世までインド婦人の称賛の的とされ、現在も毎年祭礼を行ってこの詩を唱え、幸福な結婚を祈願している『サービトリー物語』、全編中もっとも美しいロマンスといわれ、数奇な運命を物語る『ナラ王物語』、幽遠の哲理に配するに熱烈な信仰をもってし、実践道徳の要諦(ようてい)を説いてインド思想の根本をよく折衷、総括した宗教哲学的聖典としてヒンドゥー教徒が座右の聖典とする『バガバッド・ギーター』などで、後世の思想、文学に多くの資料を提供し、インド国民の精神生活に多くの影響を与えた。
 また付録の『ハリ・バンシャ』は、大史詩で重要な役割を演ずるクリシュナを、ハリすなわちビシュヌ神の権化としてその系譜や偉業などを述べたものである。『マハーバーラタ』の物語は、インド文化の普及に伴い、ジャワ、マレー、タイなどに伝えられて文学、芸術に反映し、またそのなかの挿話は中国を経て日本にも伝わっている。『リシュヤシュリンガ』の物語は、『ジャータカ』(本生話(ほんしょうわ))のなかの『ナリニカージャータカ』として仏教化されているが、漢訳仏典に取り入れられ、日本にも伝わり、一角仙人の物語として『今昔(こんじゃく)物語』や謡曲の『一角』、さらに歌舞伎(かぶき)の『鳴神(なるかみ)』にまで及んでいる。[田中於莵弥]
『前田式子訳『世界文学大系4 インド集 マハー・バーラタ(抄)』(1959・筑摩書房) ▽C・ラージャゴーパーラチャリ編訳、奈良毅・田中玉訳『マハーバーラタ』全3巻(第三文明社・レグルス文庫)』

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世界大百科事典内のマハーバーラタの言及

【インド神話】より

…例えば,人祖マヌと大洪水の伝説,天女ウルバシー伝説,山の翼を切ったインドラの話,悪魔の住む三都を破壊するルドラ(シバ)神の話などは,後代のヒンドゥー教の神話,文学に多大な影響を与えた。
【ヒンドゥー教の神話】
 ヒンドゥー教の代表的な文献は,二大叙事詩《マハーバーラタ》と《ラーマーヤナ》である。特に前者は,18編約10万詩節よりなる大作であり,バラタ族の内紛・大戦争を主筋とする。…

【インド文学】より

…ベーダ文学は時代の推移に伴い,神話的のものから神学的,哲学的,祭儀的となった。
【二大叙事詩とプラーナ】
 インドの国民的二大叙事詩《マハーバーラタ》と《ラーマーヤナ》は,古代文学と中古文学の中間にあってインド文学史上重要な地位を占め,その影響は国外にまで及んでいる。《マハーバーラタ》はバラタ族に属するクルとパーンドゥの2王族間の大戦争を主題とする大史詩で,18編10万余頌の本文と付録《ハリ・バンシャHarivaṃśa》から成り,4世紀ころに現形を整えるまでに数百年を経過したものと思われ,その間に宗教,神話,伝説,哲学,道徳,制度などに関するおびただしい挿話が増補されて全編の約4/5を占めているが,それらのうち宗教哲学詩《バガバッドギーター》,美しいロマンスと数奇な運命を語る《ナラ王物語》,貞節な妻《サービトリー物語》などは最も有名である。…

【仮面劇】より

…ある範囲で共有された神話物語が実現される際に,その様式の差異が(舞踊等の差異ももちろんだが),仮面の様式の差異として眼につく表現を与えられることもある。インドから南アジアにかけて,ヒンドゥー文化に起源するさまざまな神格の行為,叙事詩《ラーマーヤナ》《マハーバーラタ》を基礎とする仮面が地域ごとに独自の様式によって洗練されて,また地域固有の要素と結びつけられ,固有の演劇の文脈に編みこまれているという事実は,この点から見て大変興味深い。南インドの〈チョウ〉(紙と粘土で成形した仮面を用いる,《ラーマーヤナ》等に基づく民衆劇)のさまざまな様式,スリランカの〈コーラム〉,ネパールの〈ナバ・トゥルガー〉,タイの〈コーン〉および〈ラコーン〉,インドネシアの〈ワヤン・トペン〉は,共通の基礎の上に,多様な仮面劇の世界を作り上げている。…

【クリシュナ】より

…クリシュナは前7世紀以前に実在した人物であるとみなされ,遊牧に従事していたヤーダバ族Yādavaの一部ブリシュニ族に生まれたという。バーラタ(バラタ)族の大戦争に参加しパーンダバ軍を助けたことは,大叙事詩《マハーバーラタ》,およびその一部であるヒンドゥー教の代表的聖典《バガバッドギーター》によってうかがい知ることができる。やがてクリシュナはヤーダバ族の奉ずる神バガバットと同一視され,さらに太陽神ビシュヌの化身とみなされるようになり,ビシュヌ教のバーガバタ派の最高神となった。…

【シャクンタラー】より

…その帰路,王はシャクンタラーと息子バラタに出会う。 このシャクンタラーの名は,バラタの母としてベーダ文献に見えるが,叙事詩《マハーバーラタ》の中でまとまりのある物語のヒロインとなる。ただし,叙事詩では,〈仙人の呪詛〉と〈思い出の指輪〉という二つの重要なモティーフが欠けている。…

【巡礼】より

… これに対して,インドのような多神教的な文化風土では,〈円運動〉をとるのが普通である。紀元前後のころに書かれた叙事詩《マハーバーラタ》によると,当時の代表的な巡礼路は,インド亜大陸全体に散在している聖地を右回りに巡り歩くことから成り立ち,とくに川の源流や合流点が神聖視された。またヒンドゥー教最大の聖地の一つであるワーラナシー(ベナレス)では同心円状の巡礼路がいくつもつくられていて,巡礼者はそのコースを右回りに行脚していく。…

【叙事詩】より

…近代ヨーロッパにおいては,それはしばしば小説作品のなかで追究されるようになり,そのもっとも顕著な一例として,社会全体の壁画的表現をめざしたバルザックの《人間喜劇》を挙げることもできよう。
【非ヨーロッパ世界】
 非ヨーロッパ世界における最大の叙事詩は,古代インドの《マハーバーラタ》と《ラーマーヤナ》である。〈バーラタ族の戦争を語る大史詩〉と副題された《マハーバーラタ》は,長いあいだ口誦文学として種々の変形を受けたあと,4世紀ころに最終的な形を整えたとされている。…

【バガバッドギーター】より

…インド古代の叙事詩《マハーバーラタ》の一部をなす宗教・哲学的教訓詩編。略して《ギーター》ともいう。…

【バラタ族】より

…バラタはまた古代インドの伝説的帝王の名でもある。叙事詩《マハーバーラタ》は,この王の子孫であるクル族内部の紛争をテーマとしたもの。バラタ王あるいはバラタ族の名にちなみ,古代からインド亜大陸はバーラタバルシャ(バラタの領土)と呼ばれてきた。…

【バーラタバルシャ】より

…バラタ王は《リグ・ベーダ》時代の遠い昔に,北インドに雄飛した伝説的帝王で,その子孫はバラタ族と呼ばれた。大叙事詩《マハーバーラタ》に主役を演ずるクル族とパーンドゥ族は,ともにバラタ族に属する王族である。【田中 於菟弥】。…

【バーラビ】より

…叙事詩《キラータールジュニーヤKirātārjunīya》により技巧派詩人として名声を博している。この詩は18章から成り,大叙事詩《マハーバーラタ》から取材し,勇士アルジュナ王子が凶悪な山地部族のキラータに扮したシバ神と格闘し,その武勇を認められて天授の武器を獲得するてんまつを述べているが,彼の名声は詩の内容よりはむしろ韻律および修辞上のすぐれた技巧によるもので,詩的技巧を重んじる修辞学書に多く引用されている。【田中 於菟弥】。…

【ビシュヌ派】より

…なかでもラーマとその妃シーター,クリシュナとその妃ラーダーは,しばしば文芸の対象になり,広くインド全土で熱烈に崇拝されてきた。この派の存在は,前5~前4世紀以降の文献などによって確かめられるが,その教義がまとまった形をとったのは,叙事詩《マハーバーラタ》の一部に組み込まれている《バガバッドギーター》においてである。また,この派に関連の深い文献としては,《マハーバーラタ》の付編として扱われている《ハリバンシャ》,および《ビシュヌ・プラーナ》《バーガバタ・プラーナ》などのプラーナなどがある。…

【ビヤーサ】より

…四ベーダを編纂し,《マハーバーラタ》を著述し,諸種のプラーナをも著したとされるインドの伝説上の聖仙。名前は〈編集する〉の意のサンスクリットvy‐asに由来するといわれる。…

【ヒンドゥー教】より

… ヒンドゥー教は,バラモン教を基盤としているとはいえ,次のような過程を経て,今日見られるヒンドゥー教が形成された。(1)哲学諸体系の形成と《マハーバーラタ》やその一部をなす《バガバッドギーター》,東南アジア一帯にも大きな影響を与えた《ラーマーヤナ》,またヒンドゥー法典の基盤である《マヌ法典》など,ヒンドゥー教の中核を成す聖典の成立(紀元前後以降),(2)宗派の成立(1~2世紀以降),(3)強いバクティ思想の台頭(600‐800以降),(4)タントリズムの形成(800以降),(5)イスラムの浸透(13世紀以降),(6)イギリスの支配,キリスト教の伝播,西洋文明との接触(1800以降)。
[聖典]
 ヒンドゥー教の聖典は実に膨大な数と量に及んでいるが,コーランや聖書ほどの地位と権威をもつ聖典はない。…

【民俗芸能】より

…また,事実ないしその脚色ではなく虚構の世界を描く物語性をもった民俗芸能も多く,それらはしばしば勧善懲悪,二元論などの倫理観,世界観を表明するものと解釈することができる。たとえば,インドの《ラーマーヤナ》《マハーバーラタ》と,それが伝播し変形された東南アジア諸民族の舞踊劇,あるいはそれぞれの民族が固有にはぐくんできた神話・伝説の類に基づく語り物や舞踊劇の中に,人民の共同体意識を高める動機が文芸・舞踊の構造の一部として観察できるのである。このように叙事性をもつ民俗芸能は,諸民族の歴史・価値体系をパフォーマンスそのものを通じ,コード化ないし記号化したものと解釈することができる。…

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