ギヤマン

デジタル大辞泉 「ギヤマン」の意味・読み・例文・類語

ギヤマン(〈オランダ〉diamant/〈ポルトガル〉diamante)

江戸時代ダイヤモンドを称した語。
ガラスを切って細工するのにダイヤモンドを用いたところから》ガラス製品 夏》

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精選版 日本国語大辞典 「ギヤマン」の意味・読み・例文・類語

ギヤマン

〘名〙 (diamant から)
① 江戸時代、ダイヤモンドを呼んだことば。
※増補華夷通商考(1708)四「ギヤマンの玉」
② (彫刻をほどこしたガラス製品を「ギヤマン彫り」と呼んだところから) ガラス製品一般をさす。ビードロ玻璃(はり)
※歌舞伎・謎帯一寸徳兵衛(1811)序幕彼処(あそこ)にあった硝子(ギヤマン)の簪(かんざし)を、買うて下さりませ」

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世界大百科事典(旧版)内のギヤマンの言及

【ガラス工芸】より

…江戸時代になると,西洋ガラス製造の技術がおそらく中国を通じて長崎へ入ってきた。これらはビードロ,ギヤマンなどと呼ばれて人々に大いに珍しがられた。長崎で興ったガラス製造は大坂,江戸をはじめ各地にその技術が伝わったが,薩摩切子もその一つである。…

【薩摩切子】より

… 切子とはカット・グラスを意味し,薩摩切子のほかに江戸切子もあるが,後者は無色のカット・グラスで,江戸の加賀屋の天保年間(1830‐44)の引札(ひきふだ)(カタログ)には皿,蓋物,鉢などの食器のほか,切子でない金魚鉢,瓶などのガラス器も描かれている。なお,ビードロはポルトガル語vidroの,ギヤマンはダイヤモンドを意味するジアマントdiamantの,なまりである。ガラス【山崎 一雄】。…

※「ギヤマン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」