硝子(読み)ガラス

デジタル大辞泉 「硝子」の意味・読み・例文・類語

ガラス【硝子】

液体を溶融状態から冷却したとき、結晶せずに固化し、原子配列が液体に似た不規則な状態になっている物質。三次元無規則網目構造をなす。珪酸塩けいさんえんガラスソーダ石灰ガラス・鉛ガラスなどがあり、ポリスチレンポリエチレンでもみられ、天然には黒曜石琥珀こはくなどがある。
特に、珪酸塩ガラスのこと。透明で、もろい。建築材料・食器などに使われる。玻璃はりギヤマンビードロ
もろく壊れやすいもののたとえ。「ガラスあご
[類語]グラス

しょう‐し〔セウ‐〕【硝子】

ガラスのこと。

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精選版 日本国語大辞典 「硝子」の意味・読み・例文・類語

ガラス【硝子】

  1. 〘 名詞 〙 ( [オランダ語] glas )
  2. かたく、もろく、透明な物質で、通常、珪砂(けいさ)炭酸ソーダ石灰などを混ぜて高温で溶かし、急冷して製したもの。色ガラスは金属の酸化物を混ぜて製する。酸化コバルト藍色)、酸化マンガン紫色)、酸化第一銅(赤色)、酸化第二銅(金・緑色)などを用いる。建築材料や食器、瓶(びん)そのほか多くの器具に作られ、用途は広い。玻璃(はり)。ビードロ。ギヤマン。〔物類品隲(1763)〕
  3. 「ガラスうつし(━写)」の略。
    1. [初出の実例]「むかふの写真屋へみんなをつれておしあがってげいしゃとも七人いちどにガラス一枚へうつさして」(出典:安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉二)
  4. もろく、こわれやすいもののたとえにいう。「ガラスのハート」

硝子の語誌

( 1 )江戸時代は、もっぱら「ビードロ」が用いられ、のちには「ギヤマン」も使われたが、「ガラス」が一般化し、「ビードロ」「ギヤマン」を追いやった。
( 2 )「硝子」という表記も、最初は「ビードロ」に当てたもので、のちに「ガラス」と読むようになった。


しょう‐しセウ‥【硝子】

  1. 〘 名詞 〙 ガラス。玻璃(はり)。ビードロ。ギヤマン。〔訓蒙図彙(1666)〕 〔本草綱目‐金石部・水精

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普及版 字通 「硝子」の読み・字形・画数・意味

【硝子】しよう(せう)し

水晶に似たもの。ガラス。〔格古要論、六、硝子〕を用(もつ)て燒する。色にして氣眼り。或いは色のり、亦た白きり。但だ瑩(めいえい)ならざるもの、之れを子と謂ふ。

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