改訂新版 世界大百科事典 「グラティアヌス」の意味・わかりやすい解説
グラティアヌス
Flavius Gratianus
生没年:359-383
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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…【佐藤 圭四郎】
[ヨーロッパ]
中世のヨーロッパでは教会の教儀によって原則として利子の徴収が禁止されていた。旧約聖書《申命記》における〈兄弟からはどんな利子もとってはならぬ〉という教えは,4世紀の聖アンブロシウスによって〈資本を超えたものを受け取ってはならない〉という形に一般化され,グラティアヌスによって教会法に組みこまれた。キリスト教徒の間で利子付きの貸借を行うことは高利貸usuraとして神の教えに背くことと考えられた。…
…次に帝国を担ったのはウァレンティニアヌス1世(在位364‐375)とその弟ウァレンス(在位364‐378)で,この時期の危機は北方国境にあり,ウァレンスは侵入した西ゴート族に敗れ(378),遺体もみつからなかった。ウァレンティニアヌスの息子グラティアヌス(在位367‐383)を補佐したテオドシウス1世(在位379‐395)は,西ゴートを国境外に追えないと悟り,彼らにトラキア管区の北部2州に防衛義務と交換に定住地を与えた。彼らは自分たちの王を戴き,自分たちの指揮官の下でローマ軍に参戦したのだから,事実上は帝国内に定住したゲルマン国家にほかならなかった。…
※「グラティアヌス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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