グレート・ディバイディング山脈(読み)ぐれーとでぃばいでぃんぐさんみゃく(英語表記)Great Dividing Range

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

グレート・ディバイディング山脈
ぐれーとでぃばいでぃんぐさんみゃく
Great Dividing Range

オーストラリア大陸東部に延びる山脈。「大分水嶺(だいぶんすいれい)山脈」と訳される。古生層が中生代から第三紀にかけて隆起したもので、同大陸の三大地形区分の一つである東部高地を構成する。ヨーク岬(クイーンズランド州北端)からグランピアン山地The Grampians(ビクトリア州西部、メルボルンの西北西約200キロメートル)に至る1~数列の分水界からなり、海岸からの距離は2~160キロメートル、幅は150~300キロメートル。降水量分布への影響など分水界としては重要であるが、平均高度はわずか900メートル前後で、オーストラリア・アルプスやニュー・イングランド山脈などに1000メートル以上の山地が広がる(最高点コジアスコ山。2228メートル)ほかは、高さ数百メートルの山地、丘陵台地が、断続的に連なるにすぎない。一般に東斜面のほうが急で深い谷や急崖(きゅうがい)が一部に発達するのに対して、西斜面は緩やかで、事実上、平原的景観とは区別しがたい。

[谷内 達]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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