コルドベロ(英語表記)Cordovero, Moses ben

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コルドベロ」の意味・わかりやすい解説

コルドベロ
Cordovero, Moses ben

[生]1522
[没]1570. ガリラヤ
ユダヤ教の神秘主義的神学者,カバラ学者。両親の代にスペインにおける迫害を逃れ,故国パレスチナに帰ったらしい。タルムード的律法主義を修正しようとして,14世紀ゾハルに起ったカバラ主義運動の最後の代表者。主著ザクロの庭』 Pardes rimmonim (1592,死後出版) において,ユダヤ教の神ヤハウェをタルムード以外の外典をも援用して解釈。ヤハウェは創造神であるゆえにすべての被造物に現在するが,それ自身無限の属性をもつゆえに,有限なる人間には全被造物のなかにそれをみることはできないと主張した。この思想はのちのユダヤ神秘主義に深い影響を与えた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android