サービサイジング(読み)さーびさいじんぐ(英語表記)servicizing

知恵蔵 「サービサイジング」の解説

サービサイジング

「これまで製品として販売していたものをサービス化して提供する」ことを意味する用語。「財を売るのではなく、サービス(機能)を売るという経済システムへの転換を図る」サービサイジングは「脱物質化」につながる可能性があるため、環境負荷低減、そして持続可能な生産と消費に寄与しうる。同時にサービサイジングでは、環境効果だけでなくまずビジネスとして成立するという市場性が不可欠である。そうしたビジネスのうち、環境面で特に優れたパフォーマンスを示すものを、グリーン・サービサイジング・ビジネスと呼ぶこともある。また、純粋な営利目的のビジネスとしては成立しにくいが、環境負荷低減、地域活性化や地域再生などのローカル持続可能性の観点から評価することで、コミュニティー・ビジネスを含めることもある。ビジネスの成立要件分析や公共的な支援策の検討も始まっているが、まだ成熟しているビジネスではない。事業者の創意工夫で新たなビジネスが生まれ、範囲が拡大していく可能性がある。

(植田和弘 京都大学大学院教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android