転換(読み)テンカン(その他表記)conversion

翻訳|conversion

デジタル大辞泉 「転換」の意味・読み・例文・類語

てん‐かん〔‐クワン〕【転換】

[名](スル)
別のものに変えること、特に、傾向・方針などを、違った方向に変えること。また、別のものに変わること。「政策転換をはかる」「話題転換する」「配置転換
精神分析用語。抑圧された願望が、身体的症状となって外部へ表れること。
[類語]転向転身変節

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「転換」の意味・読み・例文・類語

てん‐かん‥クヮン【転換】

  1. 〘 名詞 〙
  2. うつしかえること。それまでの方針や傾向などを別の異なった方向に変えること。また、そのように変わること。
    1. [初出の実例]「千載不易の句を手本にして転換すなれば、評品つまびらか也」(出典:俳諧・句兄弟(1694)上)
  3. ( [英語] conversion の訳語 ) 精神分析学で、ヒステリー症状のように、抑圧された心の中の願望が身体的症状の形で表出されること。
  4. 核燃料中の核分裂を起こさない天然のウラン二三八やトリウム二三二が中性子を吸収して核燃料物質プルトニウム二三九やウラン二三三に変化すること。〔原子力の将来(1947)〕
  5. 舞台上の装置を、次の場面のために改めること。
    1. [初出の実例]「道具の転換が一々手間どり」(出典:古川ロッパ日記‐昭和一五年(1940)七月五日)

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改訂新版 世界大百科事典 「転換」の意味・わかりやすい解説

転換 (てんかん)
conversion

原子炉中で,熱中性子では核分裂しにくいウラン238 238Uやトリウム232 232Thが中性子捕獲反応によって,

 238U+n─→239U(中性子の捕獲

239U─→239Np+β(半減期23分)

239Np─→239Pu+β(半減期56時間)

 232Th+n─→233Th(中性子の捕獲)

233Th─→233Pa+β(半減期22.1分)

233Pa─→233U+β(半減期27.4日)

という壊変を経た結果,熱中性子で核分裂を起こすことのできるウラン233 233Uやプルトニウム239 239Puに変化すること(上式でnは中性子,βはβ線を示す)。原子炉中において核分裂等で核分裂性原子が1個失われる間に転換により生まれる核分裂性原子の個数を,その原子炉の転換率という。通常の軽水炉の転換率は0.6程度である。転換を目的に建設される原子炉を転換炉,転換率が1に近い炉を高転換率炉,転換率が1を超える原子炉を増殖炉という。
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普及版 字通 「転換」の読み・字形・画数・意味

【転換】てんかん

改換する。

字通「転」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の転換の言及

【原子炉】より

…これらの原子核は中性子を捕獲すると 238U+n―→239U+γ 239U―→239Np+β(半減期23.5分) 239Np―→239Pu+β(半減期2.35日) 232Th+n―→233Th+γ 233Th―→233Pa+β(半減期22.2分) 233Pa―→233U+β(半減期27日)と2度のβ崩壊を経て核分裂性物質である239Puや233Uに変化する(ここでnは中性子,γはγ線,βはβ線)。この現象を転換といい,核分裂性原子1個が核分裂する間に生成する核分裂性原子の数を転換率という。転換率が1より大きいときには原子炉の運転にしたがい炉心で核分裂性物質の量が増えていくので,転換率といわず増殖率という。…

※「転換」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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