翻訳|conversion
原子炉中で,熱中性子では核分裂しにくいウラン238 238Uやトリウム232 232Thが中性子捕獲反応によって,
238U+n─→239U(中性子の捕獲)
239U─→239Np+β(半減期23分)
239Np─→239Pu+β(半減期56時間)
232Th+n─→233Th(中性子の捕獲)
233Th─→233Pa+β(半減期22.1分)
233Pa─→233U+β(半減期27.4日)
という壊変を経た結果,熱中性子で核分裂を起こすことのできるウラン233 233Uやプルトニウム239 239Puに変化すること(上式でnは中性子,βはβ線を示す)。原子炉中において核分裂等で核分裂性原子が1個失われる間に転換により生まれる核分裂性原子の個数を,その原子炉の転換率という。通常の軽水炉の転換率は0.6程度である。転換を目的に建設される原子炉を転換炉,転換率が1に近い炉を高転換率炉,転換率が1を超える原子炉を増殖炉という。
執筆者:近藤 駿介
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
…これらの原子核は中性子を捕獲すると 238U+n―→239U+γ 239U―→239Np+β(半減期23.5分) 239Np―→239Pu+β(半減期2.35日) 232Th+n―→233Th+γ 233Th―→233Pa+β(半減期22.2分) 233Pa―→233U+β(半減期27日)と2度のβ崩壊を経て核分裂性物質である239Puや233Uに変化する(ここでnは中性子,γはγ線,βはβ線)。この現象を転換といい,核分裂性原子1個が核分裂する間に生成する核分裂性原子の数を転換率という。転換率が1より大きいときには原子炉の運転にしたがい炉心で核分裂性物質の量が増えていくので,転換率といわず増殖率という。…
※「転換」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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