トルコ・ギリシア戦争(読み)トルコギリシアせんそう

百科事典マイペディア 「トルコ・ギリシア戦争」の意味・わかりやすい解説

トルコ・ギリシア戦争【トルコギリシアせんそう】

1830年のオスマン帝国からのギリシア独立後,両国の間で未解決となっていた領土をめぐる2度の戦争。(1)トルコ領クレタ島にはギリシア系住民が多く,1866年以来ギリシア併合要求の反乱多発。これに応じて1897年ギリシアは出兵したが敗れた。この間英・仏・露・独・伊・オーストリア6ヵ国はギリシア沿岸を封鎖してトルコを支援。ギリシアは6ヵ国の仲介で講和し,賠償金を払い,クレタ島はトルコ主権下で自治が認められた。(2)1919年ギリシアのベニゼーロス首相は大ギリシア主義を掲げてトルコの港市イズミルに出兵。アナトリア内陸に侵攻して〈イオニア国家〉の建設をめざしたが,ケマル・アタチュルク指揮のトルコ軍に完敗。ギリシアでは戦後の反動化で一時王政に復古した。
→関連項目イズミル

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android