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イズミル İzmir

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

イズミル
İzmir

トルコ西部の港湾都市で,同名県の県都。古代のスミルナエーゲ海から深く湾入するイズミル湾奥に位置する。地中海世界ではアテネに次いで過去 5000年間歴史的重要性をもち続けてきた都市で,前 3000年にさかのぼり,トロイとほぼ同時代に建設された。前 1000年頃にはギリシアの植民都市であったことが知られ,前7世紀に都市国家となったが,前6世紀頃リュディアに征服された。前4世紀にアレクサンドロス大王によって再建され,小アジアにおける主要都市となった。のちローマの属州アジアに編入され,ビザンチン時代はサモス海軍管区の首都となり,14世紀にはトルクメン人に占領された。十字軍やチムールの支配を受けたのち,1425年頃オスマン帝国領となった。 1919年5月ギリシア軍に占領されたが,22年トルコ軍が奪還した。第2次世界大戦後は急激に発展し,その位置条件もあって,NATO (北大西洋条約機構) の南部軍司令部がおかれている。工業ではイスタンブールに次ぎ,食品,セメント,綿・毛織物を生産し,化学工場や機械工場もある。中東一の国際見本市も毎年開かれ,後背地の農産物を輸出する。付近にはエフェソスペルガモンなどの有名な古代遺跡があり,観光地としても発達しつつある。人口 175万 7414 (1990) 。

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デジタル大辞泉の解説

イズミル(İzmir)

トルコ西部、エーゲ海に面する港湾都市。古代ギリシャ名スミルナ。同国第三の都市であり工業、貿易が盛ん。紀元前10世紀にイオニア人が築いた植民都市に起源し、古代ローマ帝国東ローマ帝国時代にはエーゲ海の中心都市として栄えた。度重なる地震による被害や外敵の侵入のため、その歴史に比べ遺跡には恵まれないが、市内にはヘレニズム時代の城塞カディフェカレと古代ローマ時代のアゴラが残っている。人口、都市圏258万(2007)。

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百科事典マイペディアの解説

イズミル

トルコ西部の同名県の主都。旧名スミルナ。エーゲ海に面し,鉄道終点で空港もあり,重要な貿易港。穀物,綿花,オリーブ,タバコ,果物を産し,絹布,絨緞(じゅうたん)生産など商工業の中心地。
→関連項目エーゲ海モーリア

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世界大百科事典 第2版の解説

イズミル【İzmir】

トルコ,アナトリア西岸の商港,同名県の県都。人口199万(トルコ第3位,1994)。アナトリアの農産物・鉱産物の輸出および食品加工,セッケン,皮革,化学,機械など各種工業の都市として知られる。軍事的にも重要でNATOの司令部がおかれている。前1000年ごろ,アイオリス人の植民市スミュルナSmyrna(スミルナ)として建設され,前627年にリュディアによって破壊されたが,ローマ時代に復興し,商港として,またキリスト教伝道の拠点として繁栄した。

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大辞林 第三版の解説

イズミル【İzmir】

トルコ西部、エーゲ海に面する港湾都市。古代ギリシャの植民都市スミルナの故地。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

イズミル
いずみる
zmir

トルコの小アジア半島西部、エーゲ海のイズミル湾に臨む港湾都市。イズミル県の県都。人口223万2265(2000)。イスタンブール、アンカラに次ぐトルコ第三の都市であり、古代ギリシア名はスミルナSmyrna。三方を山地で囲まれて深く湾入した天然の良港に恵まれ、道路、鉄道の発達によって広い後背地とも結び付き、トルコの重要な貿易都市として市街は活況を呈する。綿織、皮革、ビール、オリーブ油、染料、たばこなどの工業も発達する。毎年8~9月には国際見本市が開かれる。古来、地震による被害が大きく、史跡には恵まれない。考古博物館がある。近年の人口急増を象徴するかのように、丘陵上にはゲジェコンドゥ(一夜(いちや)建て)とよばれる急造住宅がひしめいている。[末尾至行]

歴史

紀元前11世紀ごろにアカイア人によって建設され、リディア、フリギアなどの支配を経て、紀元後133年からローマ帝国領となった。11世紀以後この町はトルコ人の支配下に入り、17世紀以後ヨーロッパ諸国とオスマン・トルコ帝国との地中海貿易の拠点として繁栄すると、ペロポネソス半島やエーゲ海諸島から多数のギリシア人が移住した。第一次世界大戦後オスマン帝国が滅亡すると、1919年5月に、この町を中心にギリシア人による「イオニア国家」の建設を口実にギリシア政府は軍隊を派遣したが、トルコ人の抵抗によって失敗した(トルコ革命)。[永田雄三]

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