フタロシアニン顔料(読み)フタロシアニンがんりょう(英語表記)phthalocyanine pigment

改訂新版 世界大百科事典 「フタロシアニン顔料」の意味・わかりやすい解説

フタロシアニン顔料 (フタロシアニンがんりょう)
phthalocyanine pigment

フタロシアニンと呼ばれる特有の構造をもつ有機顔料で,中心金属として銅をもつものが銅フタロシアニンと呼ばれる青色顔料で,銅フタロシアニンの周囲の芳香核をポリクロル化したものはフタロシアニングリーンと呼ばれ,緑色顔料として重要である。いずれも色が鮮明で,耐光性,耐水性,耐薬品性,耐熱性などが優れ,それらの色材としての使用範囲も非常に広い。日本はフタロシアニン顔料については世界最大の生産国,輸出国である。近年はフタロシアニンを電子工業に応用する試みが多くなった。



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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のフタロシアニン顔料の言及

【顔料】より

…製造条件としてカップリングおよびレーキ化のpH,温度,レーキ化の際のロジンセッケンの有無などは生成顔料の結晶形,粒子の大きさなどに大きな影響を与え,色調,その他の性質が,非常に変わってくる。
フタロシアニン顔料
 発色団としてテトラアザポルフィリン環をもつ顔料。実用化されているものに,銅フタロシアニン(図3-a),高塩素化銅フタロシアニン(図3-b),低塩素化銅フタロシアニン,スルホン化銅フタロシアニン(以上はレーキ顔料),および無金属フタロシアニンがある。…

※「フタロシアニン顔料」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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