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フタロシアニン フタロシアニン phthalocyanine

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

フタロシアニン
フタロシアニン
phthalocyanine

無水フタル酸と尿素,またはフタロニトリルから合成される。この分子の中心にある2個の水素原子水素イオンとして解離しやすく,種々の金属原子と置換してフタロシアニン塩をつくる。ことに銅 (II) イオンが結合した錯塩は,熱,光,酸,アルカリに対して安定な青緑色色素で,高沸点有機溶媒に可溶である。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

フタロシアニン
ふたろしあにん
phtharocyanine

鮮青色の美しい有機顔料で、着色力も大。光、熱、酸・アルカリにきわめて安定である。種々の着色材として広く利用されている。化学構造クロロフィルなどの骨格であるポルフィン(あるいはポルフィラジン)をもち、テトラベンゾポルフィン(あるいはテトラベンゾポルフィラジン)とよばれる。中心の水素は種々の金属と置換し、金属フタロシアニンをつくる。1928年スコティッシュダイズの研究者が、鉄容器を用いた無水フタル酸アンモニアとの反応によるフタルイミドの合成中、青色の副生成物を発見した。1934年にイギリスのリンステッドSir Patrick Linstead(1902―1966)が金属フリーのフタロシアニンおよび金属フタロシアニンの構造を解明し、フタル酸から誘導される青色化合物という意味からフタロシアニンと命名した。[飛田満彦]

製法

フタロジニトリルとアルカリ金属のアルコラートとを加熱して、金属フリーのフタロシアニンが合成される。金属フタロシアニンはフタロニトリルと金属塩を加熱するか、尿素と無水フタル酸を金属塩と溶融することで合成される。中心の金属には、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛などの二価金属が用いられる。合成したままでは粗大粒子であるので、平均直径0.05マイクロメートル程度に微粒子化(顔料化処理)をする必要がある。[飛田満彦]

性質・用途

安定な色素で、真空中400~500℃で分解することなく昇華する。水はもちろん有機溶媒に不溶であるが、濃硫酸に溶ける。銅フタロシアニンはもっとも重要で、鮮明な深青色のきわめて堅牢(けんろう)な顔料(フタロシアニンブルーC. I. Pigment Blue)である。結晶形に不安定なα(アルファ)形と安定なβ(ベータ)形があり、溶解度や色調が両者で異なる。中心金属や置換基の種類により濃青色から緑色に変わる。
 顔料としての利用はもちろんであるが、スルホン化により水溶性にすれば直接染料、中心金属の還元・酸化を利用したバット染料のほか、反応性基を導入した反応染料などへの広い用途がある。中心金属が鉄の場合には、ヘミン類と同様のオキシダーゼ(酸化酵素)の性質をもち、こうした面への応用も期待される。
 なお、種々の金属フタロシアニンは酸化触媒、燃料電池用触媒に用いられる。また、金属フタロシアニンを真空蒸着した膜にヨウ素を浸透させると良好な半導体となりうるので、この方面への利用も注目されている。[飛田満彦]

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