亜鉛末(読み)あえんまつ(英語表記)zinc powder

日本大百科全書(ニッポニカ) 「亜鉛末」の意味・わかりやすい解説

亜鉛末
あえんまつ
zinc powder

粉状亜鉛をいう。亜鉛精錬によって、鉱石を還元して金属亜鉛を取り出すとき、蒸留した気体の亜鉛を凝縮させるが、このときつねに10~15%の粉末状亜鉛が得られる。これを亜鉛末あるいはブルーパウダー(粉末では青みがかった色にみえる)といっている。亜鉛末は表面が酸化されており、純粋なものではないと考えられる。イオン化傾向が亜鉛より低い金属の塩水溶液中に入れておくと、金属を析出させることができるので、金、その他の金属精錬に際しての沈殿剤として用いられる。

[中原勝儼]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android