光電子放出(読み)コウデンシホウシュツ

デジタル大辞泉 「光電子放出」の意味・読み・例文・類語

こうでんし‐ほうしゅつ〔クワウデンシハウシユツ〕【光電子放出】

物質に光を当てたとき、励起された物質内の電子外部に放出される現象光電効果の一であり、光伝導内部光電効果)に対していう。また外部に放出された電子を光電子と呼ぶ。外部光電効果

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の光電子放出の言及

【光電効果】より

… 05年の時点では,アインシュタインの光量子仮説の正当性を裏づけるだけの実験事実の蓄積はなかったが,16年までには光電子の最大エネルギーと入射光の振動数νとの間に成り立つアインシュタインの関係式の正しさが,R.A.ミリカンらによって実験的に完全に確かめられた。
[金属からの光電子放出]
 金属に光を当てると光電子が放出される現象は次のように説明できる。金属が電気の良導体であるのは,金属内を自由に動き回り,電荷を運ぶことができる伝導電子が存在するためであるが,この伝導電子が,金属内にとどまっているのは,金属表面付近に図のような束縛ポテンシャルVが存在するためである。…

【電子放出】より

…しかし外部からの何らかの刺激により,物質内の電子がエネルギーを得て真空準位より高いエネルギーをもつようになると,その電子は真空中に放出される。電子がエネルギーを得て真空中に放出される原因は種々あり,それによって,熱電子放出,二次電子放出,電界放出,エキソ電子放出,光電子放出などと呼ばれる。
[熱電子放出]
 固体が熱せられると,固体を形成している原子の振動が激しくなり,電子は原子振動からエネルギーを得て固体外に飛び出すようになる。…

※「光電子放出」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」