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光電効果 こうでんこうかphotoelectric effect

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

光電効果
こうでんこうか
photoelectric effect

物質が光のエネルギーを吸収して自由電子を生じる現象。光によって自由になった電子光電子という。絶縁体や半導体の場合は,自由になった電子は外に出ずに中にとどまり,電気伝導度を増加させる。このため,電子が外に飛出す光電子放出効果を外部光電効果,外に飛出さない光導電効果を内部光電効果 (光伝導 ) と呼んで区別するが,普通,光電効果という場合は,外部光電効果をさすことが多い。また起電力が発生する光起電効果もある。光電効果で注目すべきは,光によって飛出す電子のもつエネルギーが光の強さには依存せず,振動数によって変る,という事実である。この事実は,光を波と考える古典物理学からはまったく説明できない。これに対して,A.アインシュタインは光量子という考えによって,みごとにこれを説明した (→アインシュタイン=ド・ブロイの関係式 ) 。このようにして,光は粒子であるか波であるかという重大な問題がむしかえされ,量子力学の発展の出発点になった。光電効果は,応用面においても,光電管やテレビの撮像管などに使われている。アインシュタインには,特に光電効果の研究の業績により 1921年ノーベル物理学賞が授与された。

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デジタル大辞泉の解説

こうでん‐こうか〔クワウデンカウクワ〕【光電効果】

物質に光を当てたとき、その表面から電子が飛び出したり、内部自由電子を生じたりして、電子が移動したり電流が流れたりする現象。

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百科事典マイペディアの解説

光電効果【こうでんこうか】

一般には物質が光を吸収して自由に動ける電子(光電子)を生じる現象。狭義には固体表面に光を当てたとき外部に光電子が飛び出す現象(外部光電効果)。1888年W.L.F.ハルバックス〔1859-1922〕が発見。
→関連項目X線紫外線自由電子赤外線太陽電池電子ミリカンレーナルト

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世界大百科事典 第2版の解説

こうでんこうか【光電効果 photoelectric effect】

物質に光を当てたとき,その光を吸収して自由電子を生ずる現象。光照射により放出される自由電子のことを光電子photoelectronという。光電効果には,固体表面から光電子が放出される外部光電効果や,原子などから光電子が放出され,イオン化する光イオン化などがある。また光照射により絶縁体や半導体中の伝導電子が増加し電気伝導度が増加する内部光電効果(光伝導ともいう),ならびに光照射により起電力を生ずる光起電力効果も光電効果の一種である。

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大辞林 第三版の解説

こうでんこうか【光電効果】

物質に光を当てた時、物質内の電子が光子のエネルギーを吸収して起こる現象。電子が物質外に放出される外部光電効果と、物質内部で電子が移動して電流が流れたり、起電力を生じたりする内部光電効果とがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

光電効果
こうでんこうか

金属などの固体表面に光を照射すると、光を吸収してその表面から電子が放出される現象を、光電効果あるいはとくに外部光電効果とよび、放出される自由電子を光電子(こうでんし)、電子流を光電流という。気体の原子や分子が光吸収により光電子を放出しイオンになる光イオン化も、光電効果の現象である。
 金属板が相対する2極の真空管において陰極の金属板に光を当てると、電流計の針が振れる。その実験によると、(1)放出される光電子の最大の運動エネルギーは、照射する光の振動数νに対して直線的に変化する。(2)νが物質によって決まった限界値より小さいときには、光電子は放出されない。(3)光の強さに比例して放出される光電子の数は増える。しかし光電子の最大の運動エネルギーは光の強さに関係しない。(4)光照射のあと、光電子の放出に時間的な遅れはない。このような光電効果の現象は、光を波動であるとしては説明できない。アインシュタインは1905年に、振動数νの光はhν(hはプランク定数)のエネルギーをもつ粒子の流れであると考え、満足な説明を与えた。この粒子は光量子または光子とよばれる。物質中に振動数νの光が吸収されるのは、hνのエネルギーをもつ光量子が吸収されることであって、電子がそれだけのエネルギーを受け取る。電子が物質の表面を越えて外に出るには、あるエネルギーWが必要であり、この閾値(しきいち)を仕事関数とよぶ。したがって、物質の外へ飛び出す電子の運動エネルギーの最大値は、(1/2)mv2hν-W(vは光電子の速さ)によって表される。外部光電効果や光イオン化によって放出される光電子のエネルギースペクトルを測定すれば、固体や原子・分子内の電子状態や結合状態を知ることができる。この方法を光電子分光法という。光電効果はまた光電管や光電子増倍管に利用される。
 一方、光(こう)伝導効果と光起電力効果という内部光電効果がある。半導体や絶縁体に光を照射すると、価電子帯から伝導帯へ電子が励起され、キャリアーである電子と正孔がそれぞれ伝導帯と価電子帯に生じ、電気伝導度が増加する。この現象を光伝導効果といい、赤外線検出器やビジコンなどに利用される。半導体で光吸収によりできる電子と正孔が界面の障壁により分離されて起電力を生ずる。この現象を光起電力効果といい、太陽電池などに利用される。
 γ(ガンマ)線やX線のような短波長の光によって物質が照射されると、外殻の電子ではなく、K殻、L殻などの内殻の電子にエネルギーを与えて吸収され、それらの電子が光電子としてそれぞれ異なったエネルギーをもって外部に放出される。K殻電子による光電効果が全体の約80%を占めるが、その場合、原子番号Zと光子エネルギーhνに対しておよそZ5/(hν)7/2に比例しておこる。数百キロ電子ボルト以下のγ線やX線では物質による吸収はほとんど光電効果による。[菊田惺志]

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