宣く(読み)ノタマク

デジタル大辞泉 「宣く」の意味・読み・例文・類語

のたまく【宣く】

《「のたまわく」の音変化。論語訓読「子、のたまわく」から。近世江戸語》
言われること。おっしゃること。
「すでに孔子―に」〈洒・新吾左出放題〉
勝手なことを言うこと。ごたく。
「貸した奴が―言ひや、横ぞっぽうはりのめすに」〈根無草・後〉
酔っぱらい。
「朝から御神酒で―騒ぐだ」〈伎・当秋八幡祭

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精選版 日本国語大辞典 「宣く」の意味・読み・例文・類語

のたば‐く【宣く】

(動詞「のたぶ(宣)」のク語法) =のたまわく(宣━)
万葉(8C後)二〇・四四〇八「ちちのみの 父の命は 栲綱白鬚の上ゆ 涙垂り 歎き乃多婆久(ノタバク)

のとうま‐く のたうま‥【宣く】

(動詞「のとうぶ(宣)」のク語法「のとうばく(宣━)」の変化したもの) =のたまわく(宣━)
※仮名書論語(室町中)雍也「しののたふまく、中庸のとくたる事、それいたれるかな。たみすくなひ事久し」

のら‐く【宣く】

(動詞「のる(宣)」のク語法) おっしゃること。
※万葉(8C後)一三・三三一八「夕卜(ゆふうら)を わが問ひしかば 夕卜の 吾れに告良久(のラク)

のとうば‐く のたうば‥【宣く】

(動詞「のとうぶ(宣)」のク語法) =のたまわく(宣━)〔書陵部本名義抄(1081頃)〕

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