得に(読み)エニ

デジタル大辞泉 「得に」の意味・読み・例文・類語

え‐に【得に】

[連語]《動詞「う(得)」の未然形「え」+上代の打消しの助動詞「ぬ」の連用形「に」という》…できないで。
「言へば―言はねば胸にさわがれて心ひとつに嘆くころかな」〈伊勢・三四〉

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精選版 日本国語大辞典 「得に」の意味・読み・例文・類語

え‐に【得に】

連語〙 (動詞「う(得)」の未然形に、上代の打消の助動詞の連用形「に」が付いたもの) 已然形に助詞「ば」のついた表現とともに用いる。…してみると、…できないで。
伊勢物語(10C前)三四「いへばえにいはねば胸にさわがれて心ひとつに歎くころ哉」
[補注]形式化した修辞一つとして、「言へばえに」の形で用いられることが多い。

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