心を置く(読み)ココロヲオク

デジタル大辞泉 「心を置く」の意味・読み・例文・類語

こころ・く

気を遣う。遠慮する。「―・くことなくお話しください」
打ち解けないで、心に隔てを置く。
「―・かれ、うるさき者に思はれてぞありけるほどに」〈今昔・二五・四〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「心を置く」の意味・読み・例文・類語

こころ【心】 を 置(お)

① 心にかける。配慮する。念頭に置いて事をする。
※続日本紀‐天応元年(781)二月一七日「如此あらむと知らませば、心置(こころおき)ても談らひ賜ひ、相見てましものを」
※伊勢集(11C後)「草の香(かう)色かはりぬる白露はこころおきても思ふべきかな」
② 心をあとに残す。執着する。執心する。
源氏(1001‐14頃)葵「とまる身も消えしも同じ露の世に心をくらむほどぞはかなき」
③ 自分に気がひけるようなことがあったりして、改まった態度をとる。遠慮する。気がねする。
曾丹集(11C初か)「夏ばかり賀茂の河せに過してんふるさと人はこころをくとも」
④ 相手に対してわだかまりの気持を抱く。
(イ) 心の隔てを置く。よそよそしくする。
※伊勢物語(10C前)二一「けしう、心をくべきこともおぼえぬを、何によりてかかからむと、いといたう泣きて」
(ロ) 警戒する。用心する。
※源氏(1001‐14頃)帚木「すきたわめらむ女には心をかせ給へ」

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