出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
能の曲目。初番目・脇能物(わきのうもの)。五流現行曲。金春(こんぱる)禅竹作。金春、金剛、喜多(きた)流は「加茂」と書く。古名『矢立(やたて)賀茂』。賀茂神社に参詣(さんけい)の神職(ワキ)が、水汲(みずく)みの女2人(シテ、ツレ)から、賀茂の里の秦(はた)の氏女(うじにょ)が矢を拾い上げて懐妊し、別雷(わけいかずち)神を生んだという社の縁起を聞く。その御祖神(みおやのかみ)は後段の天女(後ツレ)として登場し、別雷神(後シテ)は五穀豊穣(ほうじょう)を予祝して舞う。戯曲的には不統一の面があるが、水の清冽(せいれつ)さと雷鳴の豪快さを対照させ、演出の明快さで人気がある。アイ狂言は普通は末社の神の祝福の舞であるが、田植の早乙女(さおとめ)が大ぜい出て、神の田の水口(みなくち)を祀(まつ)る賀茂の神主とにぎやかな問答を交わす演出もある。
[増田正造]
静岡県伊豆半島西岸、賀茂郡にあった旧村名(賀茂村(むら))。現在は西伊豆町の北西部を占める地域。旧賀茂村は1956年(昭和31)に宇久須(うぐす)村と安良里(あらり)村が合併して郡名をとって賀茂村と改称。2005年(平成17)西伊豆町と合併。国道136号が通じる。地域の大部分は山岳地帯で、90%が山林として利用され、シイタケ栽培が盛ん。耕地は総面積の2%。カーネーション栽培のほか、野菜栽培が行われる。安良里港はイルカ漁で知られたが、いまはアジ、サバ、サンマなどを漁獲する。伊豆珪石鉱山(けいせきこうざん)でのガラス原料の珪石採掘は著名。景勝地黄金(こがね)崎、西天城高原、宇久須温泉、宇久須キャンプ場などがある。
[川崎文昭]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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