披麻皴(読み)ヒマシュン

デジタル大辞泉 「披麻皴」の意味・読み・例文・類語

ひま‐しゅん【披麻×皴】

山水画における皴法しゅんぽうの一。渇筆により筆線を麻の繊維をほぐしたように波打たせ、山や岩のひだを表すもの。麻皮皴。

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精選版 日本国語大辞典 「披麻皴」の意味・読み・例文・類語

ひま‐しゅん【披麻皴】

〘名〙 東洋画皴法一つ。麻の緒を開いたように細い線を重ねて描くもので、山や岩のひだを表わす。中国董源巨然に始まるといわれ、主として南宗画に用いられる。〔芥子園画伝‐一・画学浅説入〕

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世界大百科事典(旧版)内の披麻皴の言及

【皴法】より

…山水・樹石画の写実化や,水墨画の興起にともなって,唐末五代のころから現れ始め,しだいに従来の輪郭線と傅彩(ふさい)のみに頼る方法に取って代わった。描く対象の自然,あるいは画家の個性に応じて,多くの方法が発明され,董源,巨然の披麻皴(ひましゆん),范寛の雨点皴,郭熙の鬼面皴,李唐,馬遠の斧劈皴(ふへきしゆん)が知られ,とくに披麻皴は元末四大家や呉派,斧劈皴は南宋院体画や浙派に継承された。【曾布川 寛】。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」