無血清培地(読み)むけっせいばいち(英語表記)serum-free culture medium

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「無血清培地」の意味・わかりやすい解説

無血清培地
むけっせいばいち
serum-free culture medium

血清を含まない動物細胞培養用の培地で,その成分組成は明らかにされている。一般に動物細胞を人工的に培養する場合には,増殖因子等の成分を補うため,培養液中に5~20%程度の血清を添加する必要がある。しかし血清は高価であり,血清中には未知の成分を含む 500種以上の蛋白質が含まれるため,細胞に作用する因子分子レベルでの研究や,細胞から産生された物質の単離・精製を困難にする。そこで血清を含まないでも細胞培養を可能とする無血清培地開発の研究が行なわれてきた。その結果,細胞種に応じてさまざまな無血清培地が開発,販売されるようになっている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android