蘇民祭(読み)ソミンサイ

デジタル大辞泉 「蘇民祭」の意味・読み・例文・類語

そみん‐さい【×蘇民祭】

岩手県中心に行われる裸祭りの一。蘇民将来説話にちなむ行事で、息災豊作などを祈願し、札の入った袋を人々が奪い合うもの。妙見山黒石寺で旧正月7日に行われていたものが有名。

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世界大百科事典(旧版)内の蘇民祭の言及

【黒石寺】より

…本尊薬師如来は862年(貞観4)の胎内銘をもつ重要文化財で,造られた時代と風土を反映した厳しい姿をもって知られる。旧暦1月7日夜から翌暁にかけて行われる蘇民祭は,厳寒中の裸の夜祭で,修験の性格をもった寺のなごりを残す。薬師信仰に基づいて厄災消除と五穀豊穣を祈願するものである。…

【蘇民将来】より

…正月に,牛頭天王(ごずてんのう)と縁の深い京都の八坂神社はじめ,信濃国分寺八日堂,愛知の津島神社,新発田の天王社など各地の社寺で配られる。また岩手の黒石寺薬師堂では,正月7日に蘇民祭といって餅や数百本の六角形のヌルデの木が入った蘇民袋を裸の男たちが東西に分かれて奪いあう行事があり,これを得たものはその年幸運であるという。蘇民将来には,紙や板の札に〈蘇民将来子孫之門〉とか〈蘇民将来子孫繁昌也〉と書いて,家の戸口に貼って魔よけとしたり,畑に立てて虫よけとする風もある。…

【裸祭】より

…裸祭には,みそぎによって生まれ変わることをめざすものと,競技を行うことで年占を行うものが多い。有名な裸祭には,岩手県水沢市の黒石寺の蘇民祭(旧正月7日),愛知県稲沢市の尾張大国霊神社の儺追(なおい)神事(国府宮の裸祭,旧正月13日),岡山県西大寺の会陽(えよう)(旧正月14日),福岡県の筥崎(はこざき)宮の玉取祭(玉せせり,正月3日)などがある。これらは冬の裸祭で,競技を行って年占をする形のものが多い。…

※「蘇民祭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」