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蘇民将来 ソミンショウライ

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デジタル大辞泉の解説

そみん‐しょうらい〔‐シヤウライ〕【×蘇民将来】

神に宿を貸した善行により茅(ち)の輪の法を教えられ、子孫に至るまで災厄を免れることを約束された説話上の貧者の名。→ 茅(ち)の輪
疫病よけの護符の名。柳の木を六角または八角の塔状に削り、「大福長者蘇民将来子孫人也」などと墨書し、小正月に諸所の社寺で分与する。

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百科事典マイペディアの解説

蘇民将来【そみんしょうらい】

護符の一種。八角柱の木片に〈蘇民将来子孫也〉と書いたもの。京都の祇園,上田市の国分寺新発田市天王寺等で発行,水沢市(現・奥州市)の蘇民祭は裸祭で護符を取り合う。
→関連項目天王信仰【ほ】【き】内伝

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世界大百科事典 第2版の解説

そみんしょうらい【蘇民将来】

護符の一種。晴明判(魔よけの星象)や〈蘇民将来子孫〉などの文字を記した六角柱または八角柱の短い棒で,房状の飾りや紐をつけて帯に結び下げるようになったものもある。正月に,牛頭天王(ごずてんのう)と縁の深い京都の八坂神社はじめ,信濃国分寺八日堂,愛知の津島神社新発田の天王社など各地の社寺で配られる。また岩手の黒石寺薬師堂では,正月7日に蘇民祭といって餅や数百本の六角形ヌルデの木が入った蘇民袋を裸の男たちが東西に分かれて奪いあう行事があり,これを得たものはその年幸運であるという。

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大辞林 第三版の解説

そみんしょうらい【蘇民将来】

○ 疫病よけの神の名。貧者だったが、神に宿を貸したお礼に茅の輪を作って疫病から免れる方法を教えられたという(備後風土記)。
災厄を除いて福徳を祈る護符の一。六角または八角の棒や木札・紙札などの形状がある。「大福長者蘇民将来子孫人也」などの語を記す。毎年正月、寺社で発行する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

蘇民将来
そみんしょうらい

説話の主人公の名、転じて護符の一種。『備後国風土記(びんごのくにふどき)』逸文によると、須佐雄神(すさのおのかみ)が一夜の宿を借りようとして、裕福な弟の巨旦(こたん)将来に断られ、貧しい兄の蘇民将来には迎えられて粟飯(あわめし)などを御馳走(ごちそう)になった。そこでそのお礼にと、「蘇民将来之(の)子孫」といって茅(ち)の輪(わ)を腰に着けていれば厄病を免れることができると告げた。はたして、まもなくみんな死んでしまったが、その教えのとおりにした蘇民将来の娘は命を助かったという。民俗ではこの神は祇園牛頭(ぎおんごず)天王とも習合しており、八角柱の木片に「蘇民将来之子孫也(なり)」などと書いた護符の類を蘇民将来といっている。伊勢(いせ)地方などでは家の門口に「蘇民将来之子孫」などと書いた注連(しめ)をかけて災厄除(よ)けとしている例も多く、また岩手県奥州(おうしゅう)市水沢(みずさわ)区の黒石寺で旧正月7日に人々が裸で蘇民袋を奪い合う蘇民祭などもよく知られている。[新谷尚紀]
『『備後国風土記』逸文(『日本古典文学大系2 風土記』所収・1958・岩波書店)』

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世界大百科事典内の蘇民将来の言及

【祇園信仰】より

…牛頭天王については天竺(てんじく)(インド)の祇園精舎(ぎおんしようじや)の守護神とする説をはじめ諸説があるが,要するに疫病流行など不慮の災厄にさいなまれつづけた古代の人々が,既往の信仰・伝説とも結び合わせながら信仰の対象として育成した神格である。この神は別に〈武塔神(むとうしん)〉の名をもつが,それは《備後国風土記逸文》にみえる〈蘇民将来(そみんしようらい)〉と〈巨旦将来(こたんしようらい)〉という兄弟の伝説にもとづく。すなわち,一夜の宿をもとめた武塔神を,富裕な弟の巨旦はことわったが,貧しい兄の蘇民は粟柄(あわがら)を敷いて座席をしつらえ,粟飯を献じて心から歓待した。…

【天王信仰】より

…《簠簋(ほき)内伝》によると天界にあった天刑星が,地上に降りて,牛頭天王と名のり,南海に赴く。途中,巨旦(こたん)大王に宿を求め,断られるが,貧しい蘇民将来(そみんしようらい)の宿で丁重にもてなされる。牛頭天王は,やがて南海の竜王の娘頗梨采女(はりさいによ)を妻にもらい,8人の王子が誕生する。…

【厄病神】より

…厄病神歓待の風習は,ある意味で盆の無縁仏や餓鬼仏を精霊とは別にまつる風に対応するものともいえる。厄病や疱瘡よけのため,〈鎮西八郎為朝御宿〉といった武将の名のほか,〈蘇民将来(そみんしようらい)子孫也〉とか仁賀保金七郎,小浜六郎左衛門,釣船清次など,厄神を助けたり泊めたりしたという者の名前を記して戸口にはっておく風習もある。厄病を免れる,または軽くするという旨の〈疫神のわび証文〉や〈疫神退散状〉も各地に伝えられている。…

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