雁金五人男(読み)カリガネゴニンオトコ

デジタル大辞泉 「雁金五人男」の意味・読み・例文・類語

かりがね‐ごにんおとこ〔‐ゴニンをとこ〕【雁金五人男】

元禄(1688~1704)のころ大坂を荒らした雁金文七ぶんしちを頭とする五人無頼漢。また、これを劇化した浄瑠璃歌舞伎作品総称

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「雁金五人男」の意味・読み・例文・類語

かりがねごにんおとこ ‥ゴニンをとこ【雁金五人男】

[2] 〘名〙 浄瑠璃、歌舞伎の一系統。雁金組を劇化した作品の総称。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の雁金五人男の言及

【俠客物】より

…任俠の徒を劇化した嚆矢(こうし)は1698年(元禄11)に大坂片岡仁左衛門座で初世仁左衛門が演じた団七であるとされ,以降,宿無団七の書替狂言がつぎつぎに演じられた。雁金五人男は1702年9月大坂岡本文弥座上演の人形浄瑠璃《雁金文七秋の霜》が最初で,《男作五雁金(おとこだていつつかりがね)》(1742年7月大坂竹本座,竹田出雲作)など多くの作を生んだ。また上方では黒船忠右衛門,梅の由兵衛など,歌舞伎・人形浄瑠璃に数々の俠客物が生まれたが,一方江戸でも,79年(安永8)7月肥前座所演の人形浄瑠璃《驪山(めぐろ)比翼塚》(源平藤橘ら作)以降の幡随院長兵衛の劇化,また1713年(正徳3)4月山村座《花館愛護桜(はなやかたあいごのさくら)》以降の十八番系の助六劇が盛行し,江戸っ子精神を代表する任俠としてもてはやされた。…

【五人男物】より

…人形浄瑠璃,歌舞伎狂言の一系統。雁金(かりがね)五人男,雲霧(くもきり)五人男,白浪五人男などをいう。雁金文七を頭とした庵(あんの)平兵衛,布袋市右衛門,極印千右衛門,神鳴庄九郎という実在した5人の無頼漢(1702年8月刑死)を,獄門の翌月に岡本文弥座で人形浄瑠璃化した《雁金文七秋の霜》以来《雁金文七一年忌》(山本飛驒掾,1703),《雁金文七三年忌》(宇治加賀掾,1704)と語りつがれたが,《男作五雁金(おとこだていつつかりがね)》(竹田出雲作,1742年7月大坂竹本座)によって,仁俠の徒としての性格が強調され,後世に大きな影響をもたらした。…

※「雁金五人男」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android