化学辞典 第2版 「β-エンドルフィン」の解説
β-エンドルフィン
ベータエンドルフィン
β-endorphin
ほ乳類の脳や下垂体に存在する.内因性のモルヒネ様作用をもつペプチドで,31個のアミノ酸残基からなる.副じん皮質刺激ホルモン(ACTH)と同じ前駆物質(proopiomelanocortin,POMC)からつくられる.POMCはストレスに対処するための前駆物質で,ストレスなどの侵害要因に対応してプロテアーゼにより切断されて血液中に分泌され,抑制的神経伝達物質として作用すると考えられている.α-,β-,γ-エンドルフィンの3種類が知られているが,モルヒネ作用はβ-エンドルフィンが最も強い.生物種により,わずかに構造が異なるものもある.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報