改訂新版 世界大百科事典 「Β関数」の意味・わかりやすい解説
Β関数 (ベータかんすう)
beta function
x>0,y>0なるとき,定積分,
は収束し,xとyの関数となる。これをΒ関数という。これとΓ関数,
との間には,
なる関係がある。nが正の整数ならば,Γ(n)=(n-1)!となることは,(2)の右辺で部分積分をn回行って示される。このことと(3)により,正の整数m,nに対して,
が成立する。ここでnCkは二項係数である。x,yが複素数であってもRex>0,Rey>0(Rexはxの実数部分)ならば,(1)式の右辺の積分が収束して,Β(x,y)が定義される。さらに,複素変数xのΓ関数Γ(x)と(3)によって,xとyが複素平面上で0または負の整数でない限りΒ(x,y)が定義されることがわかる。(1)の積分の上端1を0<α<1なるαで置き換えて定義される関数,
を不完全Β関数という。なお,(1),(2)の積分表示をそれぞれ第1種オイラー積分,第2種オイラー積分という。
執筆者:伊藤 清三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報