Β関数(読み)ベータかんすう(その他表記)beta function

改訂新版 世界大百科事典 「Β関数」の意味・わかりやすい解説

Β関数 (ベータかんすう)
beta function

x>0,y>0なるとき,定積分

収束し,xy関数となる。これをΒ関数という。これとΓ関数

との間には,

なる関係がある。nが正の整数ならば,Γn)=(n-1)!となることは,(2)の右辺部分積分n回行って示される。このことと(3)により,正の整数mnに対して,

が成立する。ここでnCkは二項係数である。xy複素数であってもRex>0,Rey>0(Rexxの実数部分)ならば,(1)式の右辺の積分が収束して,Βxy)が定義される。さらに,複素変数xΓ関数Γx)と(3)によって,xyが複素平面上で0または負の整数でない限りΒxy)が定義されることがわかる。(1)の積分の上端1を0<α<1なるαで置き換えて定義される関数,

を不完全Β関数という。なお,(1),(2)の積分表示をそれぞれ第1種オイラー積分,第2種オイラー積分という。
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関連語 REX 清三 伊藤

世界大百科事典(旧版)内のΒ関数の言及

【Γ関数】より

…解析学で重要な特殊関数。1929年,L.オイラーは定積分に関連して,次の無限乗積を複素数zに対し導入した。これをA.M.ルジャンドルが,ガンマ関数と命名し,記号Γ(z)を用いた。上の式は,と一致するが,さらに書き直せば,次のワイヤーシュトラスの標準形に変形できる。ここに,は,オイラーの定数である。ワイヤーシュトラスの標準形からわかるように,Γ関数はz=0,-1,-2,……で1位の極をもち,その他では解析的になる。…

※「Β関数」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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