δ線(読み)デルタセン

化学辞典 第2版 「δ線」の解説

δ線
デルタセン
δ-rays

荷電粒子物質中に起こすイオン化によって生じる高エネルギー電子線.イオン化による二次電子のうちエネルギーの高いものは,β線と同じようにさらにイオン化を起こすのでδ線とよばれている.荷電粒子によるイオン化の軌跡は,δ線によって複雑になる.10 MeV 以上のα線によるイオン化では,半分以上のイオン化がδ線によるものである.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「δ線」の意味・わかりやすい解説

δ線
デルタせん
δ-ray

高速荷電粒子が物質の原子と衝突したとき,大きなエネルギーをもって電離された電子。この電子は荷電粒子の進路とほぼ直角方向に放出され,2次的に原子を電離しうるので,観測可能な短い飛跡を残す。δ線の数から,荷電粒子の電荷,エネルギーを求めることができる。

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