二次電子(読み)ニジデンシ

デジタル大辞泉 「二次電子」の意味・読み・例文・類語

にじ‐でんし【二次電子】

電子金属などに衝突したとき、そこから放出される電子。衝突した電子を一次電子という。

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精選版 日本国語大辞典 「二次電子」の意味・読み・例文・類語

にじ‐でんし【二次電子】

  1. 〘 名詞 〙 固体表面に電子やイオンが衝突したとき、そのエネルギーによって固体表面から二次的に放出される電子。光電変換用電子管などの増幅作用に利用。〔電気工学ポケットブック(1928)〕

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化学辞典 第2版 「二次電子」の解説

二次電子
ニジデンシ
secondary electron

荷電粒子物質と電離衝突を行うとき,放出される電子を一般に二次電子という.荷電粒子の物質中での飛跡にそって多数の二次電子が生成されるが,とくに固体表面に外部から荷電粒子を衝突させたとき,その表面から放出される電子のことを狭義の二次電子といい,この二次電子放出現象を二次電子放射という.さらに入射する荷電粒子が電子の場合,この二次電子放射を利用して微弱な電流を増幅する管のことを,二次電子増倍管という.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「二次電子」の意味・わかりやすい解説

二次電子
にじでんし
secondary electron

高速電子 (一次電子という) が気体分子や固体に衝突したとき新たに放出される電子。高速イオンやX線などの入射によって放出される電子も二次電子という。二次電子が生じる割合は,一次電子の速度や衝突される物質の種類によって変る。一次電子数より多い場合もあり,この現象は光電子増倍管と呼ばれる微量の光の検出器に応用される。

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世界大百科事典(旧版)内の二次電子の言及

【電子放出】より

…しかし外部からの何らかの刺激により,物質内の電子がエネルギーを得て真空準位より高いエネルギーをもつようになると,その電子は真空中に放出される。電子がエネルギーを得て真空中に放出される原因は種々あり,それによって,熱電子放出,二次電子放出,電界放出,エキソ電子放出,光電子放出などと呼ばれる。
[熱電子放出]
 固体が熱せられると,固体を形成している原子の振動が激しくなり,電子は原子振動からエネルギーを得て固体外に飛び出すようになる。…

※「二次電子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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