アイルランド民謡(読み)あいるらんどみんよう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アイルランド民謡」の意味・わかりやすい解説

アイルランド民謡
あいるらんどみんよう

ゲール語を第一国語とするアイルランドは、口承文芸時代にはフィラ(詩人)やシャナヒー(語部(かたりべ))による優れた文芸作品を生み出したが、イギリスの支配下に置かれてからはゲール語の文芸は抑圧されざるをえなかった。一方この地は、職業音楽家である吟遊詩人minstrelの本拠地でもあった。彼らはこの地の民俗音楽文化を支配し、18世紀末までその伝統を残していた。こうしたなかで、詩人トマス・ムーア(1779―1852)がアイルランド民謡を素材とした歌曲を多くつくり、アイルランドの伝統的な詩や音楽の復活に努めた。これによってアイルランド民謡がヨーロッパの一部で愛唱されるようになり、有名となった。日本で知られているものには『わが思い』『吟遊詩人』などがある。民謡の伴奏には、アイルランド独自の楽器であるアイリッシュ・ハープとバッグパイプが多く用いられる。

[卜田隆嗣]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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