日本大百科全書(ニッポニカ) 「アエギル」の意味・わかりやすい解説 アエギルあえぎるAegir 北欧神話の海の巨人。『エッダ』とスカルド詩に現れるアエギルは海の神格化と考えられ、その館の宴会にしばしば神々を招く。妻はラーンで9人の娘がいるがこれは波の擬人化であろう。ラーンは網を使って海でおぼれた者を集め、娘たちは嵐(あらし)のときに船人たちを抱擁するという。詩語ではアエギルは「海」の意味で用いることが多い。また「死の国」を表す「ラーンの国」のイメージはかなり後にできあがったと思われる。[谷口幸男] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例