巨人
きょじん
giant
世界の神話伝説にはしばしば人間に似た形をもつが,体躯も膂力 (りょりょく) も人間よりずっと巨大な巨人たちが登場する。ギリシア神話の巨人ギガンテスや北欧神話の霜の巨人たちなどはその典型的な例である。ギリシアでも,北欧でも,これらの巨人たちは神々と敵対する悪魔的存在だが,ギリシア神話にはまた,一眼巨人キュクロプスたちや百手巨人ヘカトンケイルたちのように,神々に味方する巨人たちも登場する。また北欧のイミルや中国の盤古,インドのプルシャのような,巨人の死体から世界がつくられたという神話も各地にあり,「世界巨人」型の創造神話と呼ばれる。
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きょ‐じん【巨人】
1 神話や伝説によって伝承される巨大な人物。ジャイアント。
2 きわめてからだの大きい人。
3 その分野ですぐれた能力をもち、偉大な業績のある人。「財界の巨人」
[補説]書名等別項。→巨人
きょじん【巨人】[作品名・球団]
《原題、〈ドイツ〉Titan》ジャン=パウルの長編小説。全4巻。1800年から1803年にかけて刊行。作中に登場する唯美主義的な人物ロケロルは、詩人シラーがモデルと考えられている。
《原題、〈ドイツ〉Titan》マーラー作曲の交響曲第1番の通称。ニ長調。全4楽章。1888年作曲、1889年初演。1896年改訂。名称は
に由来する。
⇒読売ジャイアンツ
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巨人【きょじん】
巨大な身体と超人的能力をもつ存在で,世界中に伝説が残る。以下のような類型がある。(1)その肉体から世界の山川草木が生じた太初の巨人(中国神話の盤古,北欧神話のイミル)。(2)神族と対抗する巨人(ギリシア神話のギガンテス,ティタン)。(3)実在の民族を誇張したもの(パタゴニア人)。(4)異形の巨人(ギリシア神話の一つ目巨人キュクロプス)。(5)四囲の自然現象,古代生物の骨などから想像された巨人(日本のだいだらぼっち,大人(おおひと)弥五郎,クック海峡を作ったニュージーランドの英雄クーペ,プリマスで発掘された巨大な骨や歯から想像された旧約聖書の巨人ゴグ,マゴグなど)。
→関連項目小人|伝説
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巨人
円谷プロダクションによる特撮ドラマシリーズ「ウルトラシリーズ」に登場する怪人。初登場作品は『ウルトラQ』。身長20メートル、体重500トン。巨蝶モルフォ蝶の燐粉を浴びた人間が沼の水を飲んで巨大化した姿。
巨人
オーストリアの作曲家グスタフ・マーラーの交響曲第1番(1884~88、93~96)の標題。原題《Der Titan》。名称はドイツの作家ジャン・パウルの小説『巨人』に由来する。
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きょじん【巨人】
世界各地の神話や民間伝承に登場する,異常に大きな体をもち超人的な能力を発揮する存在。通常の人間の支配の及ばない自然界のできごとや自然物の創造などに関連づけられることが多い。始源の過去や,あるべき秩序がこの世に現れる以前の混沌とした状態を象徴し,秩序をもたらす新しい神々や普通の人間の出現とともに消滅するか,社会の周縁部に押しやられる。巨人は,自然や過去に対する文化や現在の優越を物語る神話の論理構造の中で,否定的存在として登場することが多い。
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きょじん【巨人】
① 神話・伝説などに出てくる、巨大な体をもつ人。大男。
③ 特別にすぐれた才能をもち、偉大な業績をあげた人。偉人。
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