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北欧神話 ほくおうしんわ Nordic myths

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

北欧神話
ほくおうしんわ
Nordic myths

ゲルマン神話の一種で,ノルウェースウェーデンデンマークなどいわゆる北欧人の間に伝承された神話。地理的位置や,他のゲルマン人よりも遅くキリスト教に改宗したことなどもあって,比較的純粋に保存されているとされる。

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デジタル大辞泉の解説

ほくおう‐しんわ【北欧神話】

北欧に伝えられている北ゲルマン人の神話および英雄伝説エッダサーガに代表される。→エッダサーガ1

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世界大百科事典 第2版の解説

ほくおうしんわ【北欧神話】

デンマーク,スウェーデン,ノルウェー,アイスランドなどの北ゲルマン人の間に伝えられた神話。北欧神話の根本資料は《古エッダ》とスノッリ・ストゥルルソンの《エッダ》(エッダ)であるが,これらは完全なものでなく,不一致の点も見られ,首尾一貫した神話の全貌を得ることはむずかしい。また数世紀にわたる成立年代を異にするエッダの歌謡には固有の要素以外にさまざまのものが混入していることが当然考えられる。複雑な時代的社会的背景や外国からの影響を考慮に入れなければならない。

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大辞林 第三版の解説

ほくおうしんわ【北欧神話】

古く北欧の大半を占めたゲルマン民族に共通する神話および英雄伝説。ギリシャ神話に比肩するもので、物語群はエッダと総称される中世の写本により伝えられた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

北欧神話
ほくおうしんわ

『エッダ』および『スノッリのエッダ』を根本資料とする北ゲルマン人のもっていた神話。厳密には「エッダ神話」という表現をとることもある。ゲルマン神話の全貌(ぜんぼう)は資料を欠くため、つかめないので、北欧神話をもってその概略を理解するほかはない。北欧神話の根本資料は、9~12世紀ごろにつくられた叙事詩『古エッダ』と、アイスランドのスノッリ・スツルソンが著した『スノッリのエッダ』(新エッダ)であるが、それらは内容が不備なうえ、両者間の不一致もみられるため、首尾一貫した統一的な神話の全貌を得ることはむずかしい。したがって主神オーディンの神格の上昇一つを例にとってみても、王権の拡大や戦士の地位の向上という時代背景を考えなければならない。また成立時代がまちまちなエッダ歌謡には、固有の要素以外のものの混入やキリスト教からの影響も考慮しなければならない。このような前提にたって北欧神話の特質を考えてみると、それはあくまで豪快かつ悲劇的であり、荒々しくて暗い。ギリシア神話の優美で軽快な、しかも人間味あふれる内容と比べるとまさに対照的で、北欧の自然とゲルマン人の民族性がよく反映されている。[谷口幸男]

世界の始まり

太古には砂もなければ海もなく、冷たい波もなかった。そして大地もなければ天もなく、奈落(ならく)の口があるばかりで、まだどこにも草は生えていなかった。奈落の口の南には火炎をあげて燃え上がる国ムスペルスヘイムがあり、スルトという者がそこの警護にあたっている。彼は燃え盛る剣を手にし、世界の終末には世界を火で焼き尽くす。
 一方、奈落の口の北側には氷と霜の国ニフルヘイムがあり、毒液の流れが奈落の口に注いでいる。ムスペルスヘイムからの熱風と、ニフルヘイムの霜とがぶつかってできた滴が熱を送る者の力によって生命を得、巨人イミルが誕生する。そしてこのイミルから霜の巨人族は由来する。イミルは、同じように滴から誕生した牝牛(めうし)の乳に養われるが、牝牛が塩辛い霜で覆われた石をなめているうちに人間が出てきた。この人間はブーリといって、ボルという息子を得たが、さらにボルは巨人の娘をめとってオーディン、ビリ、ベーの3人の男子をもうけた。アサ神族は彼らから由来する。ボルの息子たちは、巨人イミルを殺してその死体を奈落の口に運び、それから大地を、血からは海と湖と川を、骨からは岩を、髪からは木々と草をつくった。また頭蓋骨(ずがいこつ)を天にし、つかんだ脳みそを空中に投げて雲とした。ある日、このアサ神たちは海岸を歩いていて二つの木をみつけ、それから人間をつくった。オーディンは息と生命を、ビリは知恵と運動を、ベーは顔とことば、耳、目を与えた。男はアスク、女はエムブラとよばれ、これから人類が発生した。
 さらに神々は、イミルの肉の中にうごめくウジから小人をつくった。小人は姿は小さく醜いが、地中や岩の間に住み、鍛冶(かじ)に長じてよい武器やみごとな装飾品をつくる。神々はまた妖精(ようせい)たちもつくった。円い大地の周りには深い海が取り巻いており、海岸沿いのヨツンヘイムとウートガルズには悪い巨人が住む。アサ神たちはイミルのまつげを使って大地の内部に塁壁をつくり、その内部に人間たちは居住地を得た。アサ神たちは、地上から天にビルロストという橋を架けたが、虹(にじ)とよばれているのがそれである。ボルの子らはまた天体もつくった。ムスペルスヘイムから飛んでくる火花をとらえ、天空と地上を照らすように、奈落の真上の天の中ほどに置いた。太陽と月がおびえるように急ぐのは、オオカミの姿をした2人の巨人がこれを追いかけ、飲み込もうとしているからである。アサ神族のほかにはバナヘイムに住むバニル神族がおり、ことに自然力を支配している。そしてあるときアサ神族とバニル神族の間に争いが起こるが、互いに人質を差し出すことで和睦(わぼく)を結んだ。[谷口幸男]

神々の世界

アサ神たちは世界の真ん中にあるアースガルズに住む。そこにはイグドラシルというトネリコの大樹がそびえており、その枝は全世界の上に広がって天に達し、また三つの根がそれぞれ神々と巨人の国とニフルヘイムに達する。巨人国の根の下には知恵の泉があるが、神々の国の根の下にも泉があり、そこに住む3人の運命の女神が人間と神々の運命を定める。アサ神のなかの最高神オーディンはワルハラに住み、そこでアサ神やエインヘルヤルとよばれる戦死者のために祝宴を開く。またオーディンは軍神であり、死の神でもあるが、片方の目を担保に知恵の泉の水を飲んだため知恵の神でもあり、文字や魔法を教える。そして巨人から秘蔵の詩人の蜜(みつ)酒を盗んだため、詩の神でもある。神々と人間の守護者でいつも巨人と戦うトールは、2頭のヤギに引かせた車に乗って空を駆けるが、人はそのときのすさまじい響きを雷鳴とよんでいる。トールのもつ槌(つち)と力帯、鉄の手袋の三つの宝は、巨人退治になくてはならない武器である。アサ神のうちでいちばん勇気のある神チュールは、神々が怪狼(かいろう)フェンリルをだまして足枷(あしかせ)をつけたとき、保証としてオオカミの口中に自分の手を突っ込んで片方の手を失った。
 そのほかに風の動きを支配する神ニョルドや、豊饒(ほうじょう)と人間の幸福をつかさどるニョルドの子フレイ、女神フリッグなど神々は多いが、逸することのできないのが光の神バルドルである。バルドルはオーディンとフリッグの子で、神々のうちもっとも美しく、また善良で賢いうえに雄弁の神とされた。あるとき、バルドルの生命にかかわる夢をみた母フリッグは、地上のあらゆるものにバルドルに指1本触れないことを誓わせる。ところが悪神ロキは、誓いをしなかったヤドリギを矢に変えて弟のホズルに射させ、バルドルを殺してしまう。もとは巨人の生まれであったが、アサ神族の仲間に入ったロキは悪知恵にたけ、まがまがしい災難を生む怪狼フェンリル、ミドガルドの大蛇、死の女神ヘルの3人の子をもつ。そのためバルドル殺害を知って激怒した神々は、ロキを捕らえて世界の終末まで岩に縛り付けた。[谷口幸男]

世界の終末(ラグナレク)

全世界、つまり人も神々も巨人もすべてがラグナレクに滅びることになる。まず多くの予言と不吉な前兆があり、恐ろしい冬が三度も続いて到来し、オオカミどもが太陽と月を飲み込む。星々は天から落ち、大地と山々は震え、木々は根こそぎとなって山は崩れ、すべての足枷といましめが解かれる。怪狼フェンリルは自由の身となり、天にまで届く大口を開けて目と鼻から火を噴き出し、肉迫する。ミドガルドの大蛇は怒濤(どとう)とともに陸に押し寄せ、北からは死者の軍勢を乗せた船がやってきて、東からはムスペルスヘイムの軍勢が海原を渡ってくる。戦(いくさ)のどよめきのなかで天は裂け、剣をきらめかせたスルトがその軍勢の先頭にたつが、彼らがビルロストの橋を渡ると橋は砕け落ちる。ヘイムダルはここに至ると、力の限り角笛(つのぶえ)を吹いて神々全員を目覚めさせ、神々は集合する。世界樹は震え、天も地も恐怖に包まれ、アサ神と死せる戦士たちは甲冑(かっちゅう)に身を固めて戦場に進む。黄金の兜(かぶと)をいただき槍(やり)を手にしたオーディンは、先頭を切って進み怪狼フェンリルと、トールは大蛇を相手に、フレイはスルト、ヘイムダルはロキと、チュールは冥府(めいふ)のイヌとそれぞれ戦う。死闘のすえフレイはスルトに倒され、チュールとイヌは相討ちで果てる。ヘイムダルとトールも同じく相討ちとなるが、トールは大蛇を血祭りにあげたものの吹きかけられた毒のために倒れる。オオカミはオーディンを飲み込むが、間髪を入れずその子ビーザルがオオカミの口を引き裂く。スルトが大地の上に火炎を投げて全世界を焼き尽くすと、大地は海に没し、炎と煙は猛威を奮い、火炎が天をなめる。凄絶(せいぜつ)な戦いののちにこの世は滅びるが、『エッダ』ではそのあとのことについて、海中から美しい緑の大地が浮かび上がり、その新しい世界には生き残った神々と人類が住み、永遠に幸福な生活を送ることになるであろう、と巫女(みこ)が予言するところで終わっている。[谷口幸男]
『谷口幸男訳『エッダ――古代北欧歌謡集』(1973・新潮社) ▽フォルケ・ストレム著、菅原邦城訳『古代北欧の宗教と神話』(1982・人文書院)』

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