日本大百科全書(ニッポニカ) 「アクリシオス」の意味・わかりやすい解説
アクリシオス
あくりしおす
Akrisios
ギリシア神話の英雄。アルゴスの王アバスは、プロエトスとアクリシオスの双子をもった。母の胎内にあったときからすでに相争っていた2人は、成長したのち、亡父が残したアルゴスの王位継承をめぐって戦った。長期戦ののちアクリシオスが勝ち、敗れたプロエトスはリュキアのイオバテス王のもとへ逃れて王の娘アンテイアを妻としたが、その後プロエトスはイオバテス王の助けを得て帰国し、一眼の巨人族キクロプスたちによって固められたアルゴス領内のティリュンスの城を占領する。やがてプロエトスとアクリシオスの兄弟は和解し、アルゴスの国は二分されたが、アクリシオスはのちに神託のとおり、わが子ペルセウスの投げた円盤に当たって死んだ。
[小川正広]