化学辞典 第2版 「アクリロニトリル樹脂」の解説
アクリロニトリル樹脂
アクリロニトリルジュシ
acrylonitrile resin
アクリロニトリルを重合させて得られる樹脂.白色または浅黄色で,80~104 ℃ のガラス転移温度をもち,極性の高い-CN基をもつため,一般の有機溶剤に難溶で,わずかに硫酸,硝酸,チオシアン酸塩,塩化亜鉛などの混合水溶液や,二,三の有機極性溶媒に可溶である.とくに,デュポン(DuPont)社が発見したジメチルホルムアミドはすぐれた溶媒で,合成繊維オーロン(Orlon)の出現を可能にした.融点は高く,加熱すると溶融することなく分解する.分解温度300 ℃ 付近.[CAS 25014-41-9]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報