アシュビン双神(読み)アシュビンそうしん(英語表記)Aśvin

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アシュビン双神」の意味・わかりやすい解説

アシュビン双神
アシュビンそうしん
Aśvin

インドの『リグ・ベーダ』の神。たいていの場合,一対の神格としてあげられている。双神は若く美しさに満ち敏速,聡明で驚くべき威力をもつ。蜜を特に好み,多量の蜜を馬のひづめから注ぐといわれる。双神の乗る車は蜜色で,蜜を運び,鳥または有翼の馬に引かれている。彼らはビバスバットとサラニウーの双生児とされ,太陽の娘スーリヤと親密である。彼らは人々を厄から救い,すぐれた医術をふるう。彼らは早朝に出現する。アシュビンという名称は騎士を意味するが,起源は不明である。『リグ・ベーダ』において双神に捧げられる賛歌は 50編以上で,数としては,インドラ,アグニ,ソーマに次ぐ。前 14世紀のミタンニ・ヒッタイト条約文では,ナーサティの名のもとに,ミトラ,バルナ,インドラに比較して重視しているが,アベスタにおいてはこれに相当するナーハイスヤは悪魔の列に落ちた。ギリシア神話ではディオスクロイに対応する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

お手玉

世界各地で古くから行われている遊戯の一つ。日本では,小豆,米,じゅず玉などを小袋に詰め,5~7個の袋を組として,これらを連続して空中に投げ上げ,落さないように両手または片手で取りさばき,投げ玉の数や継...

お手玉の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android