アストレ(その他表記)L'Astrée

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アストレ」の意味・わかりやすい解説

アストレ
L'Astrée

フランス作家 H.デュルフェの牧歌小説。 5500ページをこえる大作で全5部。最初の3部は 1607,10,19年刊。 25年に作者が死んだため,27年,秘書の B.バロが下書きをもとに4部と5部を出版。イタリアスペイン,特に J.モンテマヨルの牧歌小説の影響のもとに,牧童セラドンと羊飼い娘アストレとの恋を扱い,恋愛心理の分析に百科全書的展望を与えようとした小説で,大成功を収め,17世紀の上流社会感受性に決定的な影響を及ぼし,プレシオジテ源流となった。

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世界大百科事典(旧版)内のアストレの言及

【デュルフェ】より

…宗教戦争ではカトリックに加担,戦後一時亡命することもあったが,後にアンリ4世の宮廷に出入りした。1607年より小説《アストレAstrée》を発表し始め,ただちに大成功を得た。生前に第3巻まで刊行,死後すぐに第4巻,さらに完結編の第5巻は生前のノートを基に秘書バロが発表した。…

※「アストレ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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