プレシオジテ(英語表記)préciosité

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プレシオジテ」の意味・わかりやすい解説

プレシオジテ
préciosité

17世紀前半のフランスで,男性に服従を強いられていた女性の復権を,恋愛を通じて行おうとした一種フェミニズムで,ランブイエ侯爵夫人スキュデリー嬢のサロンを母体にして生れた。文学では,感覚と言語表現の極端な洗練を目指す風潮となって現れ,16世紀の粗野な風俗を正す意図があったが,次第に滑稽に陥り,モリエール (『才女気どり』) らの風刺の的となった。文学的表現としては,ボアチュール書簡文や,当時大流行をみた恋愛冒険小説がある。この傾向自体フランス文学の一特徴で,ほとんどあらゆる時代に形を変えて現れている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android