改訂新版 世界大百科事典 「アナログ回路」の意味・わかりやすい解説
アナログ回路 (アナログかいろ)
analogue circuit
連続的なアナログ電気信号を増大させたり,減少させたり,またその波形を変形させる電子回路のことで,その能力範囲内では出力が入力振幅に直線的に比例する。このためリニア回路linear circuitとも呼ばれる。広義には大きな電力を扱う各種の増幅回路や,電波に音声,映像を乗せる変調回路などもアナログ回路であるが,一般には十数V以下の情報操作・処理用アナログ信号を取り扱う回路を指す。入力信号(波形)を微分したり積分した信号(波形)を出力したり,のこぎり波や三角波などを作ったり,アナログ的に加減乗除算を行ったりする。HiFi(ハイフアイ)アンプ用の各種補償回路などもその典型であるが,演算増幅器を利用した回路がその代表的なものである。
執筆者:川又 晃
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報