もとはアナログ計算機の利得ブロックとして標準化された直流増幅器であるが,集積回路技術の進歩によりIC化演算増幅器が高性能で安価に供給されるようになったため,アナログ信号の汎用(はんよう)増幅器として広く用いられている。正相と反転の二つの入力端子とシングルエンド形の一つの出力端子をもち,正負の電源で駆動されるのが標準形である。直結形の回路を用い,直流信号から高周波まで増幅できる。低周波の電圧利得は105倍以上あり,ネガティブフィードバックをかけても安定なように一次おくれの周波数特性をもつ。応用としては抵抗でネガティブフィードバックをかけた広帯域の比例増幅器,容量でネガティブフィードバックをかけた積分回路が標準的である。また,ダイオードの非線形性と組み合わせて対数増幅器,絶対値回路,リミッターなどに用いられる。高利得と二つの入力端子を利用して振幅比較器に用いられ,ポジティブフィードバックをかけて正弦波および三角波発振器などにも用いられている。
執筆者:柳沢 健
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…もっとも広く用いられたアナログコンピューターは数値を電圧などの電気量に置き換えて計算し,解は電気量と時間の関係で示される。また,各演算器が演算増幅器operational amplifierを中心に,たとえば積分器,加算器,掛算器などのように計算内容別に用意されており,与えられた問題(主として微分方程式の解法に適する)に対応させて,これらを接続して計算を行えば求める解が得られる。このとき各演算器はすべて同時に並列して計算が行われるので計算速度がきわめて速い。…
※「演算増幅器」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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