アニース(その他表記)Mīr Babar Alī Anīs

改訂新版 世界大百科事典 「アニース」の意味・わかりやすい解説

アニース
Mīr Babar Alī Anīs
生没年:1802-74

インドのアウド王国治下に活躍した詩人で,同時代のダビールMirzā Dabīrと共に殉教史詩マルシアMarsiaの最高峰に位置づけられている。ファイザーバードで生まれたアニースの家系は,曾祖父のザーヒク,祖父のミール・ハサン,父のハリーク代々著名な詩人であり,彼もまた父親に詩作を学んだ。シーア派第3代イマーム,フサインの殉教を主題にしたマルシアは,1830年代になって形式と朗唱法が改良されたが,これを技法的に完成させたのがアニースとダビール両詩人である。アニースは色浅黒く背は高めで,知的な風貌持主であり,宗教家的な生活態度で非常な尊敬を集めた。56年アウド王国の没落後は活躍の拠点を失い地方への旅を重ねた。マルシアは聴衆の前で語られる一種の宗教講談であり,特定の場所と時間と人物によってつくり出される短編物語として,現代短編小説の先駆であり,この点でもアニースの果たした役割は高く評価される。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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