ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アバカ・ハン」の意味・わかりやすい解説
アバカ・ハン(阿八哈汗)
アバカ・ハン
Abaqa Khān
[没]1282. ハマダーン
イランのモンゴル王朝,イル・ハン国の第2代ハン (在位 1265~82) 。フラグ (旭烈兀)の長子。父の死後アミールたちの推戴でハン位を継ぎ,タブリーズを首都として同朝の支配体制を確立した。外交面ではビザンチン皇帝ミカエル8世と連合し,その娘マリアと結婚してエジプトのマムルーク朝とシリアの領有をめぐって攻防を繰返したが,おおむね不利に終った。北方ではキプチャク・ハン国のノガイの軍を破ってデルベンドを確保し,東方ではハイドゥと結んだチャガタイ・ハン国のバラーク・ハンと戦い,ホラサンを守った。かねてより大酒の癖のあったアバカは,弟マング・チムルのシリアにおける大敗によってショックを受け,急死した。
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