長子(読み)チョウシ

デジタル大辞泉 「長子」の意味・読み・例文・類語

ちょう‐し〔チヤウ‐〕【長子】

はじめに生まれた子。総領。ふつう男子にいう。⇔末子まっし
[補説]書名別項。→長子
[類語]総領初子はつご初子ういご次子末っ子長男長女次男次女長兄次兄長姉・次姉

ちょうし【長子】[書名]

中村草田男の第1句集。昭和11年(1936)刊行

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精選版 日本国語大辞典 「長子」の意味・読み・例文・類語

ちょう‐しチャウ‥【長子】

  1. 〘 名詞 〙 最も年長の子。第一番目の子。総領。ふつう男子にいう。嫡子。長男。
    1. [初出の実例]「王子者、淡海帝之孫、大友太子之長子也」(出典:懐風藻(751)葛野王伝)
    2. 「后腹の長子にてましまししかども」(出典:神皇正統記(1339‐43)下)
    3. [その他の文献]〔易経‐序卦〕

え‐こ【長子】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「兄子(えこ)」の意 ) 長男。長子。
    1. [初出の実例]「大臣、長子(エコ)の興志(こし)に謂て曰はく、汝、身愛(をし)むや、といふ」(出典日本書紀(720)大化五年三月(北野本訓))

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「長子」の意味・わかりやすい解説

長子(中村草田男の句集)
ちょうし

中村草田男(くさたお)の第一句集。1936年(昭和11)沙羅(さら)書店より刊行。28歳から35歳までの338句を収録。句集名は集中の「蟾蜍(ひきがえる)長子家去る由もなし」による。この句に、俳句においても負うべきものを負い、為(な)すべきことを為そうとする決意をみる評者が多い。この句集で、写生土台とする象徴手法を用いての心理表現や、童心に似た驚きを生かす新鮮な句風を樹立思想観念を歌う現代俳句への道を開いた。「玫瑰(はまなす)や今も沖には未来あり」「秋の航一大紺円盤の中」「降る雪や明治は遠くなりにけり」など。

鷹羽狩行

『『長子』(1979・みすず書房)』


長子(長男)
ちょうし

長男

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普及版 字通 「長子」の読み・字形・画数・意味

【長子】ちようし

長男。

字通「長」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の長子の言及

【中村草田男】より

…33年東大国文科卒。36年《長子(ちようし)》を上梓,清新な抒情と浪漫性を帯びた青春俳句によって秋桜子,山口誓子ら4S以後の《ホトトギス》の新人として川端茅舎,松本たかしと共に登場した。内面の全人間的要請を有季定型の伝統形式を通して問うという一貫した理念を有し,素材と表現の拡充新化に傾斜した新興俳句や,客観写生・花鳥諷詠一辺倒の《ホトトギス》俳句にくみせず独自の立場をとった。…

※「長子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」