アバランシェ・フォトダイオード(その他表記)avalanche photodiode

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

アバランシェ・フォトダイオード
avalanche photodiode

半導体中の電子なだれ増倍 (アバランシェ増倍) を利用して,増幅機能をもたせた光検出用ダイオード (→フォトダイオード ) 。 APDと略称される。半導体の禁制帯幅より大きいエネルギーの光を照射し,キャリアとして生じた自由電子と正孔が,逆方向の電圧を加えられたダイオード中でなだれ増倍されることにより,光を電気信号に変換すると同時に増幅するのが原理である。シリコンゲルマニウムの APDでは 100以上の増倍率が得られる。 APDは応答速度が速いため,高い周波数 ( 1GHz=1×109Hz 以上) で変調された光の信号を検出できる。このため大容量の信号を伝送できる光通信用の検出器として APDは広く実用化されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のアバランシェ・フォトダイオードの言及

【光検波器】より

…この光電変換作用としては,半導体のバンド間吸収を利用した光起電力効果や光伝導効果,不純物エネルギー準位からの光伝導現象や光電管における光電子放出などがある。光ファイバー通信用光検波器としては半導体で作られたフォトダイオード,アバランシェフォトダイオードなどがある。前者は受光面に入射した光により電子・正孔対が発生する。…

※「アバランシェ・フォトダイオード」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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