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正孔 せいこうpositive hole

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

正孔
せいこう
positive hole

充満帯電子が1個抜けたとき,その抜け穴は電子の電荷と等量で符号が反対の正の電荷をもつ1個の粒子とみなせる。これを正孔またはホールという。正孔は伝導電子と同様に結晶中を動いて電気伝導担体となる。正孔は,真性半導体では充満帯 (価電子帯) の電子が伝導帯に上がるときに生じ,伝導電子とともに担体となる。不純物半導体では充満帯の電子がアクセプタ準位に上がるときに正孔が生じ,p型半導体になる。

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百科事典マイペディアの解説

正孔【せいこう】

半導体内部で共有結合にあずかる電子が抜けている所があると,これに電場をかけたとき隣の共有結合から電子が移動して穴をみたし,それによって生じた穴にはもう一つ隣の共有結合から電子が移動するというふうに,電子が次々とリレー式に移動するが,これは逆に電子が移動しないで正電気をもった穴が電子と逆方向に移動すると考えることができる。
→関連項目キャリア原子力電池p型半導体ホール効果

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世界大百科事典 第2版の解説

せいこう【正孔 positive hole】

絶縁体は導体と同程度の密度の電子を含むにもかかわらず電流を通さない。絶縁体においては,そのエネルギー帯がからっぽであるか,あるいは電子によって完全に満たされているからである。後者のいわゆる充満帯の場合,パウリの原理のため,いわば満員であって,電子は身動きできない。しかし充満帯から若干の電子が取り去られると,その抜けた孔を通して電子の移動が可能となる。この場合,電子そのものより,むしろ孔の運動に着目するほうが一般に便利である。

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大辞林 第三版の解説

せいこう【正孔】

絶縁体や半導体の原子間の結合を担っている電子が、外部からエネルギーを受けとって高い状態に移り、あとに残った結合の抜け孔。この空孔は、あたかも正の電荷をもつ自由粒子のように振る舞い、電気伝導の担い手となる。ポジティブ-ホール。ホール。

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世界大百科事典内の正孔の言及

【半導体】より

…すると空席を介しての電子の移動が可能となり,これも電気伝導に寄与する。この場合の事情はむしろ空席の運動に着目するほうが簡単であり,またこの空席は見かけ上正の電荷をもつので,これを正孔(ホール)と呼ぶ。すなわち伝導電子と正孔の両方が電気伝導に寄与するわけである。…

※「正孔」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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