ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「なだれ増倍」の意味・わかりやすい解説 なだれ増倍なだれぞうばいavalanche multiplication なだれに似て,ある数量が急速に増加する現象をいう。物理や電気工学の分野では,電界で加速された荷電粒子が,電界によって得たエネルギーをもって気体分子や固体結晶原子に衝突し,これらを電離して新たな荷電粒子が生成される過程が繰返されて,荷電粒子の数が急速に増加する現象をいう。気体の放電開始の現象や,半導体のp-n接合に逆方向電圧を加えたときのなだれ降伏の多くはなだれ増倍による。気体中のなだれ増倍現象はケイ光灯や放電管として応用され,固体中のなだれ増倍現象はツェナーダイオード,インパットダイオード,アバランシェ・フォトダイオードなどの半導体デバイスとして利用されている。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by