改訂新版 世界大百科事典 「アフガンハウンド種」の意味・わかりやすい解説
アフガン・ハウンド[種]
Afghan hound
原産地がアフガニスタンの獣猟犬。シナイ半島の山岳地帯が発祥地と推察されている。前4000-前3000年の昔から存在した古代犬種の一つで,〈ノアの箱舟の犬〉という伝説もある。体高60~70cm,体重23~30kgの中型種。荒れた山岳地帯や砂漠を軽快に飛び回り,敏捷性の優れた,古代貴族の狩猟犬で,勇敢な騎士と称された。第1次世界大戦後,イギリス陸軍の将兵らが連れ帰って初めて西欧に紹介された。日本では第2次世界大戦後,広く飼育されるようになった。容姿は〈モンキー・フェース〉といわれる顔貌,全身を厚く包む絹糸状の柔らかく長い被毛,かるく巻いた細い尾,頭頂の冠のように豊かな被毛が特徴である。毛色は頭頂に白斑さえなければよく,ひじょうにバラエティに富んでいて美しく,この貴族的な容姿から,現在は観賞犬として広く賞揚されている。
執筆者:一木 彦三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報