アフリカ楯状地(読み)アフリカたてじょうち(その他表記)African shield

最新 地学事典 「アフリカ楯状地」の解説

アフリカたてじょうち
アフリカ楯状地

African shield

アフリカ大陸全土の57%を占める先カンブリア時代基盤岩分布地域。かつて,アフリカ大陸は単一のクラトン(剛塊)であり,東部ではモザンビーク帯の片麻岩が最古期岩であると信じられていた。A.Holmes(1951)はモザンビーク帯の岩石が若い放射年代を示すことを明らかにし,先カンブリア時代末のモザンビーク造山の意義を論じた。W.Q.Kennedy(1964)はモザンビーク造山の及んだ範囲を明示し,その影響をほとんど受けなかった地帯をクラトンと呼んだ。これは広義のクラトンで,カラハリクラトン(南部)・コンゴクラトン(中部)・西アフリカクラトン(西部)の3クラトンがある。また,少なくとも4回の顕著な造山運動が識別される(A.Kröner, 1977)。Limpopo-Liberia造山(27±2億年前),Eburnian造山(20±2億年前),Kibaran造山(11±2億年前),Pan-African造山(6±2億年前)である。狭義のクラトンは,Limpopo-Liberia造山以前に存在し,これら4回の造山の影響をほとんど受けなかった地帯である。Kennedyのカラハリクラトン(広義)は,南のカープファールクラトン(狭義)と北のローデシアクラトン(狭義)に分けられ,両者の間にLimpopo造山帯が分布。広義のクラトンのうちカラハリクラトンは露出がよく,30億年以上前に形成された諸岩類の上に,30億~十数億年前の楯状地堆積岩層が厚く分布。アフリカ大陸には鉱産資源が豊富に存在するが,それらの濃集と造山運動とは密接に関連し,Au・ダイヤモンド・Cr・石綿・Feの大部分はクラトン地帯に,Cu・Zn・Pb・Co・Nb・Ta・W・Sn・Beの大部分は新しい造山地帯に産出する傾向がある(T.N.Clifford,1966)。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アフリカ楯状地」の意味・わかりやすい解説

アフリカ楯状地
アフリカたてじょうち
African shield

アフリカ大陸に広く分布する先カンブリア時代の岩石地域。アフリカ大陸の約 57%を占める先カンブリア時代の岩石には,30億年以上前,27億年前から 23億年前,22億年前から 17億年前,13億年前から 9億年前,6億年前から 5億年前の 5回の造山運動が認められる。広義にはこれらによって安定地塊になった地域をさすが,狭義には 13億年前から 9億年前以後の造山運動を受けた地域を除き,西アフリカ,コンゴ,カラハリ,タンザニアの 4ヵ所の安定地塊をさす。ダイヤモンドはこの楯状地地域に産する。(→楯状地

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世界大百科事典(旧版)内のアフリカ楯状地の言及

【先カンブリア時代】より


[分布]
 大陸の中核部はなだらかな地形をなす安定地塊で,楯状地とよばれる。楯状地は先カンブリア時代の地質系統から構成され,カナダ,バルト,アンガラ(シベリア),中国大陸東部,インド,オーストラリア,ギアナ,ブラジル,プラチア,アフリカ楯状地などが知られている(図1)。先カンブリア時代の地質系統の露出面積は全陸地の8~9%にすぎないが,それらを基盤にもつ地域は全陸地の2/3に相当し,各大陸の中核部を形成する。…

※「アフリカ楯状地」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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