日本大百科全書(ニッポニカ) 「アブドゥル・ラティーフ」の意味・わかりやすい解説 アブドゥル・ラティーフ(アルバグダーディ)あぶどぅるらてぃーふ‘Abd'l-Latīf(1162―1231) アラブの旅行家、百科全書家、歴史家。当時のイスラムの諸学に加え、ギリシアの医学に通じ、ガレノスのいくつかの間違いを正した。ギリシア、トルコ、エジプト、シリア各地で教え、十字軍と戦っていたサラディンと親交があった。165の著作をものしたが、大部分は散逸した。最大のものは、ナイルの水位増減にも触れた『エジプト史』で、この大著も失われたが、その概略書である『エジプトに見られる事物、事件に関する教訓の書』がなお現在まで伝わっている。[池田 修][参照項目] | ガレノス | サラディン 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例